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労災ニュース : 光通信 社員の死亡は過労死 大阪地裁が労災認定
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携帯電話・OA機器販売会社「光通信」(東京都、東証1部上場)に勤めていた男性社員(当時33歳)が死亡したのは過労が原因だとして、神戸市の両親が国に労災認定を求めた訴訟の判決が4日、大阪地裁であった。中垣内(なかがいと)健治裁判長は、長時間労働による労災と認め、遺族補償給付などを不支給とした池袋労働基準監督署の処分を取り消した。
判決によると、男性は1999年に入社。2006年に営業部門の課長職に就き、09年から法人顧客のクレーム処理を担当していたが、10年2月に虚血性心不全で突然死した。池袋労基署は11年、死亡6カ月前までの時間外労働が月平均約62時間で、労災認定の目安となる月80時間を下回ることなどを理由に不支給とした。
判決は、クレーム処理の仕事について精神的負荷が大きかったと指摘した。その上で100時間以上の時間外労働は死亡前36カ月で15カ月(最高約138時間)に上り、疲労の蓄積もあって心臓疾患を発症したと判断した。
(2月4日 毎日新聞)
労災ニュース : 大学教授の労災認定 上司とトラブルで精神疾患
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浜松医科大(浜松市東区)の50代の男性教授が学長からパワーハラスメントを受けて精神疾患になったとして労災申請し、浜松労働基準監督署が「上司とのトラブルがあった」として労災認定していたことが28日までに分かった。労災認定は1月7日付。
申し立てによると、教授は昨年4月、学長から、割り当てられていた1人分の助教ポストや使用する教室の返上などを求めてどう喝され、体調不良になったとしたとしている。同月診察を受けて抑うつ状態と診断され、同年7月に労災を申し立てたという。
教授は2005年ごろから嫌がらせを受けるようになり、09年の学長選で反対陣営で活動した後も、報復的な嫌がらせを受けたと主張している。
教授の代理人弁護士によると、浜松労基署は認定基準のうち、ひどい嫌がらせやいじめでなく、「上司との大きな対立があった」と認定したとみられる。
同大の代理人は「(パワハラのような)事実はないと聞いている。認定内容を含め詳細を確認中」と述べた。教授側代理人は大学側が事実を認めない場合、民事訴訟に踏み切る姿勢を示している。
(1月28日 静岡新聞)
労災ニュース : アスベスト問題 労災認定や救済認定の957事業所名を公表
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厚生労働省は17日、従業員がアスベスト(石綿)を吸って病気になり2013年度に労災認定や救済認定された957の事業所名を公表した。うち711は初めての認定だった。認定者は1108人で、その大半を占める労災認定者のうち肺がん患者の数が減少傾向にある。支援団体は「認定基準が厳しいことが原因ではないか」と指摘している。
13年度の労災認定者は前年度より1人増の1084人と横ばいだった。しかし、肺がんに限ると前年比20人減の382人。08年度の503人から5年間で約24%減少した。厚労省は「肺がんの労災請求自体が減っている。原因は分からない」と話す。被害者支援団体の関西労働者安全センターの片岡明彦事務局次長は「肺がんの認定基準が厳しいため、請求自体が減っている可能性がある」と指摘している。
肺がんの認定基準をめぐっては、肺から一定量以上の石綿検出を要件とする国の通達は不当として患者らが各地で訴訟を起こしており、昨年以降、原告勝訴判決が全国五つの地・高裁で確定している。
(12月17日 毎日新聞)
労災ニュース : 高速バスツアー運転手過労死で遺族が東京に提訴 月236時間果過重労働
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高速ツアーバスの運転手として働いていた平成24年に過労死した栃木県佐野市の男性(当時44)の遺族が10日、勤務先のバス会社「ダイヤモンド観光」(佐野市)や経営者らに計約4200万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。
訴状によると、男性は22年に入社し、佐野市と九州や関西を結ぶ高速ツアーバスの運転手をしていた。24年9月、脳出血で死亡し、今年3月に労災認定された。亡くなる直前の1カ月、男性は全く休めず、時間外労働が少なくとも約263時間に上る過重労働だったとしている。
遺族側は「会社は従業員の安全に配慮する義務があるのに怠った。社長らの責任も大きい」と主張している。
(12月10日 Sankeibiz)
労災ニュース : 金属加工工場勤務の男性労災認定 有機溶剤使用で腸疾患
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大阪市の印刷会社の従業員らに有機溶剤が原因とされる胆管がんの発症が相次いだが、兵庫県明石市の金属加工工場に勤務していた男性(56)同市が別の有機溶剤で腸疾患を発症し、加古川労働基準監督署から労災認定されていたことが分かった。この溶剤による同疾患の認定は全国2例目。専門家は「労働現場に有機溶剤に対する危機感が薄い」と指摘。
男性は2011年2月〜14年6月、同工場で有機溶剤の一種、トリクロロエチレンの液体や蒸気を使って給湯器部品の銅管の洗浄を担当していた。
トリクロロエチレンは有害物質だが、洗浄機の局所排気装置や発生源を密封する設備はなく、当初の約半年は、防毒マスクすらつけずに洗浄機に頭部を突っ込んで銅管を出し入れしていたという。
腹痛や便秘の症状が現れ、14年5月、腸に気泡状のものが多くできる「腸管嚢腫様気腫症(ちょうかんのうしゅようきしゅしょう)」と診断された。有機溶剤の体への影響を示す男性の尿中クロロ酢酸濃度は、日本産業衛生学会による許容値の1・5〜15倍の高さだったという。
男性は、有機溶剤を使った大阪の印刷会社で胆管がんが多発していることを知り、労働組合「あかし地域ユニオン」(明石市)に相談。加古川労基署に労災申請し、10月に給付が認定された。
男性は6月に退職。快方に向かっているが現在も通院中といい、「仕事で使う溶剤がこれほど危険だとは知らなかった」と話している。
11月20日(神戸新聞)