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労災ニュース : 遺族補償年金は賠償金元本と相殺すべきと判断 支払額の少ない計算法採用 労災訴訟で最高裁大法廷
以下、引用です。
過労による精神障害が原因で死亡したとして労災認定された男性の両親が会社に求めた損害賠償について、両親に支給された遺族補償年金を賠償金の元本と遅延損害金のどちらと相殺するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は4日、元本と相殺すべきだとの判断を示した。両親に支払われる賠償額がより少なくなる結果となった。
裁判官15人全員一致の意見。被害者側に不利な判断と言え、労災をめぐる損害賠償訴訟全般に影響しそうだ。
遅延損害金は、労災などが起きた日から賠償金が支払われるまで発生する。賠償額の5%(年率)で、元本が少なくなれば遅延損害金も減ることになる。
原告は、IT関連会社「フォーカスシステムズ」(東京)のシステムエンジニアだった男性=当時(25)=の両親。一、二審は同社の責任を認め賠償を命じたが、今回の争点については判断が分かれていた。
この争点については、遅延損害金と優先的に相殺すべきだとした2004年判決と、元本と相殺すべきだとした10年判決という異なる二つの小法廷による最高裁判例があり、大法廷判決は今回、10年判決の判断に統一した。
原告代理人の川人博弁護士は記者会見し、「判決は抽象的な言葉だけが書かれており、実質的な判断が示されず残念だ」と感想を述べた。他の労災補償事案にも影響すると指摘し、「被害者にとって良くない判決になった」と話した。
(3月4日 時事ドットコム)
労災ニュース : 26歳教諭の過労死認定 自宅でも相当量の残業と判断
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2011年に26歳で亡くなった堺市立深井中学校の男性教諭について、地方公務員災害補償基金が公務災害による死亡と認定していたことがわかった。
残業時間は国の過労死認定基準に達していなかったが、「自宅でも相当量の残業をしていた」と判断された。
市教育委員会などによると、死亡したのは、理科教諭の前田大仁さん。10年春に同中に赴任し、1年目は1年生、2年目は2年生を担任したほか、女子バレー部の顧問も務めた。しかし、11年6月、出勤前に倒れて死亡。死因は心臓の急激な機能低下だった。
遺族は13年4月、公務災害を同基金に申請した。同僚などの証言から、死亡直前3か月間の前田さんの残業時間は月61〜71時間と判明。国の過労死認定基準の「2か月以上にわたり月平均80時間以上」を下回ったが、自宅でも多くの残業をしていたことを示す、バレー部員との連絡ノートなどがあったことなどから、同基金は昨年11月、仕事による過労死を認めた。
労災ニュース : 上司の叱責や長時間労働が原因 うつ病で自殺を労災認定 長崎地裁判決
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うつ病で自殺した長崎大病院(長崎市)の男性職員(当時56歳)の遺族が労災認定を求めた訴訟で長崎地裁は2日、遺族補償を不支給とした国の処分を取り消す判決を言い渡した。
田中俊行裁判長は「上司の叱責や長時間労働によるうつ病で自殺に至った」と結論づけた。
判決によると、男性は2009年3月に仕事上のミスを他の職員の前で上司らに叱責された他、3、4月には1カ月当たりの時間外労働が計100時間を超えてうつ病になり、4月に自殺した。
国はうつ病の発病は09年1月で、業務には起因しないと主張したが、判決は「発病は自殺の直前で業務に起因する」と指摘した。
男性の妻(58)は「認められてほっとしている。勤務環境のあり方を見直してほしい」と話した。原告代理人で過労死弁護団全国連絡会議代表の松丸正弁護士は「労基署はこの件を参考にして慎重に発病の時期を判断すべきだ」と話した。
(3月2日 毎日新聞)
労災ニュース : バス運転手の自殺、労災と認定 検知器誤作動で「飲酒」
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京王電鉄バス(本社・東京都府中市)の運転手の男性(当時51)が自殺したのは、検査で「飲酒」との結果が出た後、会社から退職を強要されたのが原因だとして、妻(51)が国を相手に労働災害と認めるよう求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。佐々木宗啓裁判長は、検知器が誤作動していたのにその事実を「男性に知らせなかった」と認定。「退職せざるを得ないと誤解させ、強い心理的な負荷を与えた」として、自殺を労災と認めた。
そのうえで、労災と認めなかった八王子労働基準監督署の処分を取り消した。
判決によると、男性は2008年6〜7月の間に2回、アルコール検査で「飲酒」と検知された。4年前にも検知歴があったため、周囲に「クビになる」と漏らし、2回目の検知の3日後に飛び降り自殺した。
訴訟で会社側は、2回目の検知については誤作動だったと認め、「男性に説明した」と証言した。しかし、判決は男性の遺書の内容などから「説明しなかったと推認できる」とした。そのうえで、「退職せざるを得ないとの男性の誤解を強めさせたことは明らか。その意図があったのではないかとさえ疑われる」とし、自殺は「業務が原因」と結論づけた。
判決後に会見した男性の妻の代理人弁護士は、「会社の対応を痛烈に批判した判決だ」と評価。京王電鉄バスは「係争の当事者ではなく、判決の詳細を把握していないので、コメントは差し控える」としている。
(2月25日 朝日新聞)
労災ニュース : 国民銀行員は過労自殺 不正融資検査で負担増大と判断 労働基準監督署
以下、引用です。 弁護士によると、労基署は、不正融資の対応で仕事量が増えたことに加え、大きな心理的負荷があったと判断した。 男性は06年に入行。東京支店で融資業務を担当。13年6月ごろから韓国当局などへの検査対応で仕事量が増加した。 9月と10月の時間外労働は約100時間に上り、11月にはうつ病とみられる症状を発症した。
中央労働基準監督署(東京)は、韓国最大手・国民銀行の東京支店に勤務、2013年12月に自殺した韓国人男性=当時(37)=について、過労による精神障害などが原因だとして労災認定した。遺族代理人の白神優理子弁護士が9日、明らかにした。認定は6日付。