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労災ニュース : 年収1075万円以上の労災認定 3年で73人 厚労省調査
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過重労働による脳や心臓の病気などで労災認定された年収1075万円以上の人が、平成23〜25年度に全国で計73人に上ることが11日、厚生労働省の調査で分かった。政府は労働時間ではなく仕事の成果に応じて賃金を決める新たな労働制度「高度プロフェッショナル制度」(ホワイトカラーエグゼンプション)の導入を目指しており、厚労省は導入後の労働時間管理の徹底を図る。
調査は、厚労省が毎年公表している「過労死などの労災補償状況」を基に、制度の対象となる年収1075万円以上と推定される人について過去3年分を初めて抽出した。
73人の内訳は、脳や心臓の病気は42人で認定件数954人に占める割合は4・4%。このうち病気による死亡者は27人で、多くが医師だった。仕事のストレスによる「心の病」が31人で認定件数1236人に占める割合は2・5%。自殺や自殺未遂は12人だった。
また、実際の労働時間に関係なく一定の時間働いたとみなす「裁量労働制」の対象者も抽出した。心の病と脳や心臓の病気による23〜25年度の認定数は24人で全体の1%だった。
調査は、民主党などが、この制度の導入を柱とした労働基準法改正案を「残業代ゼロ法案」と批判し、長時間労働の助長につながり過労死が増えると反発していることから、実施した。
導入されれば、年収1075万円以上の人も含めて労災認定数がさらに増える懸念も残るが、厚労省は健康確保の観点から「労働時間を管理し、長時間労働にならないようにする」(労働基準局)と導入に理解を求めている。厚労省によると、全労働者は5500万人。このうち年収1075万円以上の人は186万人で、裁量労働制は66万人。
(7月12日 SankeiBiz)
労災ニュース : 精神疾患(心の病) 2014年度労災過去最多 497件「仕事負荷重く」
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厚生労働省は25日、仕事が原因で精神疾患にかかり、2014年度に労災認定されたのは、前年度から61件増え497件だったと発表した。申請は47件増の1456件で、ともに1983年度からの統計史上最多だった。
このうち過労自殺(未遂含む)は、申請が213件で認定が統計史上最多の99件だった。
過労死問題に詳しい川人博弁護士は「精神疾患の大きな要因は過重労働。少ない人数で多くの仕事をこなしている職場が多いのではないか」と指摘。「仕事がきついと、人間関係がぎすぎすしてパワハラなどを生みやすい。ゆとりある職場の実現が重要だ」と話した。
(6月25日 共同通信)
労災ニュース : 療養中に不当解雇 労災解雇撤回訴訟 元社員(アイシン精機子会社)と和解 名古屋地裁
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製造ラインでの手作業で重い関節炎になり、療養中に不当に解雇されたとして、広島市の男性(44)が自動車部品メーカー「アイシン機工」(愛知県西尾市)に解雇の撤回などを求めた訴訟が名古屋地裁であり、同社が3000万円を支払う条件で和解したことが19日、分かった。同社は東証1部上場の「アイシン精機」(同県刈谷市)の子会社。
労働基準法は、業務による負傷の療養中は解雇できないと規定。会社側は「私生活での傷病だ」と主張したが、4月15日付で和解し、解決金を支払う条件で男性が退職を受け入れた。
訴状によると、男性は2000年からボルトを手で仮締めする作業に従事。両手首が激しく痛むようになり、07年8月から会社を休んで入院や手術を繰り返した。
09年に一時復職したものの、手首を使う作業を任されて痛みが再発。休職期間満了を理由に、11年11月に退職を通知された。
(6月19日 時事ドットコム)
労災ニュース : 労災認定・休職中社員の解雇は可能 最高裁が初判断
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専修大が労災認定され休職中だった男性職員に補償金を支払い、解雇した手続きの適否が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は8日、「病気やけがで休職中の労働者の療養費を使用者ではなく、国が労災保険制度で負担している場合も解雇できる」との初判断を示した。解雇を無効とした2審判決を破棄し、東京高裁に差し戻した。
労働基準法は業務上のけがや病気などで療養中に解雇することを原則禁じる一方、雇用主が療養費を負担して3年たっても治らない場合、賃金1200日分の「打ち切り補償」を支払えば解雇できると規定。専大は療養費を補償せず、国が労災保険法に基づき給付金を支払っており、規定を適用できるかが焦点だった。
(6月9日 SankeiBiz)
労災ニュース : 裁量労働制の男性 遺族側が立証し過労死認定
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証券や国債などの市場情報を提供する東京都内の会社でアナリストとして働き、心疾患で亡くなった男性(当時47歳)について、三田労働基準監督署(東京都)が過労死として労災認定していたことが分かった。男性は仕事の進め方などを労働者の裁量に委ね、実際の勤務時間とは関係なく一定の時間を働いたとみなして給料を支払う「裁量労働制」で働いていた。労働時間が重要な判断材料になる過労の労災認定で、労働時間が不明確な裁量労働制の勤労者が過労死と認定されるのは極めて異例。
遺族代理人の棗(なつめ)一郎弁護士によると、男性は1996年に入社。市場の動向を分析し、ネットを通して顧客にリポートを発信していた。会社側と合意のうえで裁量労働制で働き、残業時間は月40時間とみなされていた。2013年7月に倒れ、心室細動で亡くなった。
過労死の労災認定は、直前の1カ月の残業が100時間を超えるか、発症前2〜6カ月の残業時間が月平均80時間を超えるのが基準。男性は裁量労働制だったため正確な労働時間を会社側が把握しておらず、みなし残業時間の40時間では労災認定は困難とみられた。
遺族側はリポートの発信記録や同僚の証言などを基に男性の労働実態を調べた。遺族によると、男性は午前3時ごろに起床して海外市場の動向を分析。午前6時ごろに出社し、朝一番の顧客向けリポートの発信記録はいずれも午前6時40分ごろだった。1日のリポート数は午後5時半までに30を超え、早朝出勤しているにもかかわらず「他の従業員より早く帰るな」と注意されたり、高熱でも出勤を命じられたりするなど本人の裁量は実質的になかったという。
遺族側はこれらの調査から発症前1カ月の残業を133時間、発症前2〜6カ月の平均残業時間を108時間と判断し、14年8月、三田労働基準監督署に労災認定を申請。同署は15年3月、労災認定した。
遺族は「裁量労働制で労働実態が分からず泣き寝入りしている遺族はたくさんいると思う。経営者がきちんと労働時間を把握すべきだ」と話している。
(5月12日 毎日新聞)