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社会保険ニュース : 国民健康保険 2018年4月に市町村から都道府県移管へ
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厚労省は、2018年4月に国民健康保険(国保)の運営を市町村から都道府県に移す方針を固めた。赤字に苦しむ国保の財政を立て直すためだ。移管に向けた財政支援のため、15年度予算では国費1700億円を追加投入。さらに大企業の会社員が入る健康保険組合(健保組合)などの負担を増やして財源を捻出し、国保の赤字解消を目指す方向だ。
今月下旬に始まる予定の通常国会で関連法の改正案を提出する。国保は公的医療保険の一つで自営業者ら約3500万人が入る。高齢者の割合が高く医療費がかさむ。無職の人も多く保険料収入は伸びない。財政は厳しく、市町村の6割強が税金で赤字の穴埋めや負担軽減をしている。「赤字」の総額は12年度、約3500億円に上る。
都道府県への移管は、政府の社会保障国民会議が13年に提案した。国保の「財布」を大きくし、財政基盤を安定化させる狙いだ。
(1月5日 朝日新聞)社会保険ニュース : 75歳以上の保険料9割負担の特例措置を廃止する方向へ 医療制度改革で調整
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政府は24日、年明けにもまとめる医療制度改革をめぐり、75歳以上の後期高齢者の保険料を最大9割軽くしている特例措置を廃止する方向で調整に入った。2017年3月末、18年3月末の2段階で廃止する案が浮上している。塩崎恭久厚生労働相は25日にも、こうした内容を盛り込んだ改革案を安倍晋三首相に報告するという。
75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の保険料特例は08年度の制度発足時に、低所得者の負担が急に増えないよう設けた。しかし、現役世代との負担の公平性を確保するため廃止に踏み切る。これにより計865万人の保険料負担が増えるが、政府は、消費税率引き上げによる増収を財源に17年度から実施する低年金受給者への月額5000円の上乗せ給付などの対策によって、負担は急激に増えないとみている。
(12月24日 時事ドットコム)
社会保険ニュース : 確定拠出年金(DC)対象拡大・掛け金の上限を増やす等々 厚労省改革案まとまる
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厚労省は企業年金の制度改革案をまとめた。掛け金を加入者の自己責任で運用する確定拠出年金(DC)の見直しが中心で、誰でもDCに入れるようにすることや、掛け金の上限を増やして給付を手厚くすることが柱だ。厚労省は来年の通常国会に関連法の改正案を提出することを目指す。
企業年金は公的年金に上乗せされる私的年金だ。ただし、公的年金は給付カットが進められており、将来厚生年金は2割減、基礎年金は3割減となる見通し。一方、2013年時点で企業年金のある事業所は全体の25.8%に過ぎない。このため、DCを中心に加入対象を広げて、給付も増やし、上乗せ部分を手厚くする。
ただし、約6700万人の公的年金加入者のうち、上乗せ年金があるのは約2200万人にとどまる。中小企業の場合は企業年金のない事業所も多い。このため、従業員100人以下の事業所などを対象に「簡易型DC」を創設する。会社が負担する掛け金の上限(現在月額5万5000円)を月額5000円程度に抑え、資金繰りの厳しい企業でも導入しやすいようにする。
DCには主に企業が払った掛け金を、従業員が自己責任で運用する「企業型」(加入者約500万人)と、勤め先に企業年金のない会社員や、自営業者の加入する「個人型」(同約20万人)がある。
個人型に関しては、新たに専業主婦や公務員、企業年金がある会社の従業員にも門戸を広げる。掛け金の月額上限(自営業者6万8000円、会社員2万3000円)については、企業年金のある会社の従業員や専業主婦は2万円程度に、自営業者や企業年金のない会社の従業員は4万円程度に統一することを検討している。
企業型DCの給付も厚くする。現在掛け金の上限は定額だが、給与の定率を上限とするように改め、収入が高い人ほど企業年金が高くなるようにする。
また、転職時にそれまで運用していた資産を持ち運びやすくするようにする。現在、運用に企業が責任を持つ確定給付企業年金のある会社から企業型DCのある会社に移った場合は資産を移せるが、その逆はできない。このため厚労省はどの企業年金制度間でも、資産を移せるようにする考えだ。
(12月23日 毎日新聞)
社会保険ニュース : 2013年度の公的年金全体で3500億円赤字
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厚生労働省は19日、2013年度の公的年金の財政状況をまとめた。自営業者らの国民年金、会社員らが入る厚生年金はともに黒字だったものの、公務員の共済年金の赤字が影響し、公的年金全体では約3500億円の赤字だった。共済年金は15年10月に厚生年金と一元化されることが決まっている。
厚生年金は賃金上昇などで保険料収入が増え、資産運用も順調だったことから3251億円の黒字。運用結果を時価ベースでみると黒字は7兆9184億円に膨らむ。国民年金も簿価で743億円の黒字。
一方、高齢化が進む国家公務員共済年金は2951億円の赤字で、時価ベースでも1277億円の赤字となっている。地方公務員共済は時価では黒字だが、簿価は1356億円の赤字だ。公的年金全体を簿価でみると、収入は50兆3713億円なのに対し、支出は50兆7182億円で赤字は3469億円。
(12月19日 毎日新聞)
社会保険ニュース : 年金減額幅拡大を検討 現役世代賃金ダウンした場合 厚労省
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厚労省は公的年金改定率の算定方法を見直し、デフレ下で現役世代の賃金が下がった場合、年金の減額幅を拡大する検討に入った。早ければ2015年度中に関連法を見直す。同時に、年金の伸びを物価や賃金の伸びより抑制する「マクロ経済スライド」も、デフレ下で機能するよう改める考えだ。いずれも年金財政の健全化が狙いで、減額幅は今より拡大する。
年金改定率は原則、物価と賃金の増減に連動する。既に受給している人の改定率は前年の物価に、新たに受給し始める人の改定率は過去3年の現役世代の賃金動向に連動。インフレ局面で物価の伸びが賃金を上回る場合は、ともに上昇率の小さい賃金に連動した年金改定率となる。
ただ、デフレ下で賃金減少率が物価下落率を上回る場合、物価にそろえる仕組みになっている。賃金の減少局面でも年金の目減りを抑え、高齢者の暮らしを守るためだ。しかし、デフレが長引いたことで、現役の賃金に比べて年金が高止まりする一因となっており、厚労省は見直しに着手する。
デフレ下で物価より賃金の下げ幅が大きければ、賃金減少率に合わせて年金を減らす。また現在、物価がプラスで賃金がマイナスならば年金は据え置かれるが、この場合も賃金に合わせて年金をカットする。
厚労省はこれに併せて、年金の増加率を少子高齢化による年金財政悪化分(14年度1.1%)だけ抑えるマクロ経済スライドを、物価や賃金が下がった時は適用できない現行制度を見直し、デフレ時にも適用可能とする意向だ。
物価がマイナス1%、賃金がマイナス2%の場合、現在の年金の減額幅はマイナス1%だが、改定率の見直しで賃金連動のマイナス2%となる。さらにマクロ経済スライド分が加われば、年金額はマイナス3.1%となる。
安倍政権は2%の物価上昇目標を掲げており、10月の消費者物価指数は0.9%上昇した。デフレは当面遠のいたとの見方もあるが、厚労省は「年金受給者の痛みを伴う話。物価上昇局面の方が議論に入りやすい」と判断した。
(12月8日 毎日新聞)