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労災ニュース : 歓送迎会後の事故死で労災 参加は会社の要請 最高裁
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福岡県で2010年、職場の歓送迎会に参加した後、残業のため会社に戻る途中で交通事故死した男性会社員の遺族が、国に労災認定を求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は8日、労災と認めなかった労働基準監督署の決定を取り消す判決を言い渡した。
遺族側が逆転勝訴した。
第2小法廷は、上司の意向で歓送迎会に参加した実態などを踏まえ、男性の一連の行動は会社側の要請によるものと判断。労基署の決定を支持した一、二審を破棄するなどした。
判決によると、男性は福岡県苅田町でメッキ加工会社の工場に勤務していた10年12月、中国人研修生の歓送迎会に参加。終了後に車で工場に戻る途中、研修生を自宅に送った際にトラックと衝突して死亡した。男性は酒を飲んでいなかった。
男性の妻は遺族補償給付の支給を求めたが、労基署は労災に当たらないとして認めず、提訴した。
(7月8日 時事ドットコム)
労災ニュース : 1年3カ月の間に労災隠し3件 八尾のプレス加工業者を書類送検 東大阪労働基準監督署
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1年3カ月の間に3件の労災隠しがあったとして、東大阪労働基準監督署は1日までに、労働安全衛生法違反の疑いで、八尾市の金属プレス加工会社「大昇プレス」と男性社長(51)を書類送検した。
書類送検容疑は平成26年3月〜27年6月、同市の工場で、男性従業員3人がプレス機械で作業中、それぞれ指切断や指の骨折などのけがをして4日以上休ん だにもかかわらず、今年4月まで労働者死傷病報告書を労基署に提出しなかったとしている。3人は同じ機械を使用していた。
(7月1日 産経WEST)
労災ニュース : 厚労省 労働時間規制欠かせない過労死状況 15年度過去最悪レベル
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「多様な働き方」や「柔軟な働き方」という言葉がここ数年、労働の現場でよく聞かれる。労働時間に縛られない働き方で生産 性を上げるのが狙いだ。政府が提出している、1日8時間、週40時間の労働時間規制の適用を除外する労働者を作る労働基準法改正案「高度プロフェッショナ ル制度」(残業代ゼロ制度)も、その一つだ。
労働人口が減少する中、生産性を向上させる重要性は理解できる。だが24日、厚生労働省が公表した今回の2015年度の労災状況まとめに見られるよう に、長時間労働は改まらず過去最悪レベルの過労死状況が続いている。精神疾患は残業時間だけでは労災認定されないが、認定されたうち192人が過労死認定 ラインの80時間以上の残業をしており、うち65人は160時間以上に及んでいた。
固定残業代制度や裁量制などは労働時間が見えづらい。「柔軟な働き方」として数時間の休憩を挟む中抜き労働など、新たな働かされ方も広がっている。これらが長時間労働隠しにつながっている面は否めない。
労働に柔軟性や多様性を持ち込むのならば、労働時間の絶対上限規制や、勤務と勤務の間の休息の長さを規定する(勤務間インターバル規制)など、労働時間を厳しく管理する制度の導入が欠かせない。
(6月24日 毎日新聞)
労災ニュース : 2015年度精神障害の労災認定472人 請求は過去最多 厚労省
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厚生労働省は24日、2015年度の過労死などによる労災補償の状況を公表した。仕事による強いストレスなどが原因で起きた精神障害で労災認定された人は472人。過去最多だった14年度を25人下回ったものの、4年連続で400人を超えた。
一方、精神障害の労災請求は1515人で過去最多となった。厚労省は「11年に認定基準が明確化され、14年には過労死防止法が成立するなど、精神障害で労災認定されることが周知されてきたからではないか」(補償課)としている。
(6月24日 時事ドットコム)
労災ニュース : 赴任中に上海で過労死 労災適用認める判決 遺族が逆転勝訴
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運送会社の社員として、中国・上海の現地法人に赴任中に過労死した男性(当時45)に対し、日本の労災保険が適用されるかが争われた訴訟で、東京高裁は27日、適用を認める判決を言い渡した。杉原則彦裁判長は「日本からの指揮命令関係などの勤務実態を踏まえて判断すべきだ」と指摘。「適用できない」とした一審・東京地裁判決を覆し、労災適用を国に求めた遺族の逆転勝訴とした。
判決によると男性は2006年に、東京都に本社がある運送会社から上海の事業所に赴任。10年に設立された現地法人の責任者になったが、同年7月、急性心筋梗塞(こうそく)で死亡した。死亡前の1カ月の時間外労働は約104時間だった。
労災保険法によると、海外勤務者は独立した現地の会社で働く場合は、「特別加入」をしないと日本の労災は適用されない。男性の会社は特別加入をしておらず、昨年8月の一審判決は労災適用を認めなかった。だが、27日の判決は「男性は本社の指揮命令下で勤務していた」として、労災を適用すべきだと判断した。
遺族の代理人弁護士は「海外赴任者の労災が認められず、多くは泣き寝入りしてきたのではないか。労災制度の原則に立ち返った画期的な判決だ」と話した。
(4月27日 朝日新聞)