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労災ニュース : 西東京市の小学校新任女性教諭 自殺は業務が原因 公務災害と認定
以下、引用です。
2006年に西東京市の市立小学校に勤務していた新任の女性教諭(当時25歳)が自殺したのは過重労働が原因として、遺族が地方公務員災害補償基金(東京都)を相手に、公務災害と認めなかった処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、公務災害と認めて処分を取り消した。吉田徹裁判長は「学校の支援が十分でなく、自殺の原因は公務で発症したうつ病」と指摘した。
判決によると、女性教諭は06年4月に採用され、2年生のクラス担任になった。5月に「児童が万引きを起こした」という情報を受け、保護者に連絡すると、保護者から「事実を示せ」と怒鳴られた。6月ごろには複数の児童の靴や体操着が隠されるトラブルが発生したほか、週10時間の初任者研修とリポート提出も求められ、7月にうつ病を発症して病欠した。
9月に復帰したが、「いじめがある」などと保護者から携帯電話に訴えられることに悩んでいた。校長から病気休暇を勧められたが、10月に自殺を図って意識不明となり、12月に死亡した。遺族は公務災害認定を求めたが、同基金が「公務が原因ではない」と認めず、遺族が提訴した。
判決は、児童の万引きでの保護者への対応について「経験の乏しい新任教諭に判断を任されるのは荷が重く、上司らの手厚い指導が必要だった」と指摘。クラスでトラブルが続き、校長に報告すると叱責されると悩んでいたことや、1日2〜3時間の残業では間に合わずに仕事を家に持ち帰っていたことから「全体として業務によって強い精神的、肉体的負荷があった」と認定した。
文部科学省の調査では、14年度にうつ病などの精神疾患で休職した全国の公立学校の教員は5045人に上る。遺族の代理人弁護士は「教員の健康なくして健全な教育はあり得ない。教育現場の改善を実現していく上で重要な判決だ」と訴えた。
(2月29日 毎日新聞)
社会保険ニュース : 厚生年金の未加入事業所 マイナンバー制度活用で特定加速
以下、引用です。
厚生年金に加入すべき約200万人が未加入とされる問題で、厚生労働省は2016年度から、マイナンバー制度を活用して、加入逃れをしている疑いがある全国約79万事業所の特定作業を加速させる。企業に付与される「法人番号」データを今夏にも国税庁から提供を受け、突き合わせに利用する。
マイナンバー制度は、個人だけでなく企業にも番号を割り振っており、法人番号は国税庁が管理している。
厚生年金には、全ての法人事業所と従業員が5人以上の個人事業所(飲食業など一部の業種を除く)が原則として従業員を加入させる義務を負う。しかし労使折半の保険料負担を逃れるため、手続きを怠る事業所が後を絶たないとされる。
厚労省は、国税庁から14年度に提供を受けた納税データと日本年金機構が保有する厚生年金の加入事業所データを照合、約79万事業所に未加入の疑いがあると判明した。ただ、事業所名と住所で機械的に突き合わせたため、実際には同一の事業所でも「○○商事」「○○商社」などと少しでも名称が違うと別の法人として認識してしまうケースがあり、個別に連絡を取るなど確認作業が必要になっていた。
法人番号で照会することで、こうした食い違いを防ぐことができ、特定作業を円滑に進められる。
厚労省は、疑わしい事業所すべてを対象にした実態調査を行い、加入すべきと判断した事業所に対する指導を強化する方針だ。
(2月27日 Sankei Biz)
労災ニュース : ビキニ環礁被曝 元船員ら労災を申請 62年前に航行
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マーシャル諸島で米国が繰り返した核実験で被曝(ひばく)したとして、周辺海域にいた漁船の元乗組員と遺族の計10人が26日、「労災申請」にあたる船員保険の適用を全国健康保険協会に申請した。元乗組員らはがんなどを患っており、被曝が疾病の原因と認められれば、治療費の自己負担分がなくなったり遺族年金が支給されたりする。
10人は高知県内の元乗組員6人(81〜88歳)と遺族4人。米国は1946〜58年にマーシャル諸島のビキニ環礁とエニウェトク環礁で計67回の原水爆実験を繰り返していたが、元乗組員らは62年前の54年3〜5月の6回の核実験時に周辺海域を航行。放射性物質に汚染された「死の灰」を浴びるなどし、がんや心筋梗塞(こうそく)を患ったと訴えている。
同じ時期、周辺海域には延べ約1千隻が航行し、このうち約270隻が高知の船だったとされている。同年3月1日の水爆実験で静岡のマグロ漁船「第五福竜丸」(23人が被曝)が「死の灰」を浴びたことは分かっているが、日米の政治的幕引きを背景に公的な継続調査は打ち切られた。
元乗組員らへの聞き取り調査を続けてきた「太平洋核被災支援センター」(事務局・高知県宿毛市)によると、今回申請した元乗組員6人のうち1人の歯を分析したところ、原爆が投下された広島の爆心地から1・6キロで被爆した人が浴びた量と同じ線量が確認された。他の元乗組員らについても白血球の減少を示す血液検査結果が残っているほか、漁船の航跡図からも周辺海域にいたことが裏付けられるという。
一方で航行状況や被曝線量が特定されたとしても、放射線と病気との因果関係の特定には「62年」という歳月の壁が立ちはだかる。生活習慣を含め、被曝とは別の原因と判断される可能性もある。全国健康保険協会は取材に対し「国や専門家と相談して対応したい」としている。
(2月26日 朝日新聞)
労働法ニュース : 2311事業場で違法な残業 監督指導を徹底 厚労省
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厚生労働省は23日、長時間労働が疑われる5031事業場のうち、半数近い45・9%の2311事業場で違法な時間外労働が確認され、是正勧告を行ったと発表した。このうち38事業場では月200時間を超える時間外労働が行われていた。厚労省は「いわゆる“ブラックバイト”や健康を損なう恐れのある長時間労働に対しては今後も監督、指導を徹底したい」と話している。
厚労省は昨年11月、過労死による労災請求があったり若者の使い捨てが疑われたりする5031カ所の事業場に集中取り締まりを実施。その結果、全体の7割以上の3718カ所で、労働関連法令への違反が確認された。
違法な時間外労働のほか、適正な残業代が支払われていなかったり、長時間労働を行った従業員への医師の面接指導が行われていなかったりした。
是正勧告を受けたコンビニエンスストアでは、最長で月約200時間の時間外労働が確認されたうえ、時間外労働をした際に払わなくてはならない割増賃金が社員に支払われていなかった。アルバイトに対しては「交代を待つ時間は労働時間ではない」として、月10時間ほど少ない時間で賃金が計算されていた。
(2月24日 産経ニュース)
会社を訴えるニュース : よくうつ状態理由の解雇、無効認める判決 北秋田シルバー人材地位確認訴訟
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秋田県北秋田市の社団法人(現公益社団法人)北秋田地域シルバー人材センター(佐藤光悦理事長)から解雇された元事業課長の男性(55)が、解雇は無効として、同センターに地位確認と賃金支払いを求めた訴訟の判決が23日、地裁大館支部で言い渡された。澤田久文裁判官は、上司の言動が原因で男性が抑うつ状態になったとし、この症状を理由に解雇したのは解雇権の乱用と判断。解雇の無効を認め、センターに賃金の支払いを命じた。
判決などによると、センターは2010年12月、経理処理が不適切だったなどとして男性を停職3カ月とした。男性はその後、当時の理事長らに「反省の色がない」と大声で責められるなどして抑うつ状態となり、11年8月から休職。休職中の14年1月に「業務に耐えられない」などとして解雇された。
澤田裁判官は「男性が抑うつ状態に至ったのは、停職処分以降の上司による違法行為が原因」と指摘。「その責任を負うべきセンターが、症状を理由に解雇することは合理性がない」と結論付けた。
(2月24日 さきがけon the WEB)