新着情報
労災ニュース : パワーハラスメントで自殺と損害賠償訴訟 岡山県貨物運送社員
岡山市に本社がある運送会社「岡山県貨物運送」の宇都宮営業所の男性社員=当時(22)=が自殺したのは、上司のパワーハラスメントや長時間労働が原因として、宮城県内に住む男性の両親が同社と宇都宮営業所長に約1億1200万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こしたことが19日、分かった。
訴状によると、男性は大学卒業後の昨年4月、事務員として採用されたが、実際にはリサイクル家電の運搬などを担当。入社直後から労働時間は毎日15〜16時間に上り、休日もほとんどなかったという。
所長が男性に「ばか。辞めちまえ」と怒鳴って顔を殴ったり、男性と無関係のミスで始末書の作成を強要し、何度も書き直させたりするなどのパワハラがあったとしている。男性は昨年10月7日に宇都宮市の自宅で首つり自殺した。
原告側は「パワハラや過重労働により自殺に追い込まれた」と主張。昨年、宇都宮労働基準監督署に労災申請した。
(10月19日 共同通信)
労災ニュース : 会社員自殺 上司の叱責「死ね」「心理的負担」 業務因果関係有り 労災認める
1999年に自殺した出光タンカー(東京)の男性社員=当時(43)=の名古屋市在住の遺族が「上司の厳しい叱責などが原因だ」として、国に対し労災と認めなかった処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、請求を認めた。
直属の上司による叱責は
- ほかの人が見ている場所で公然と行った
- 感情的表現が多く「死ね」などの暴言もあった
- 他部署からも注意を受けるほどだった
などとして「企業での一般的な水準を超えていた」と指摘。
さらに「同僚や別の上司らに改善を訴えても状況が改善されず、男性の心理的負荷は精神的な障害を起こすほど過重だった」として、自殺は業務が原因と結論付けた。
判決によると、男性は97年7月に出光興産から出光タンカーに出向し経理などを担当。99年7月ごろ、うつ病の状態に陥り同26日に自殺した。遺族は2001年に労災申請したが、新宿労働基準監督署が03年に不支給とし、再審査も退けられた。
(10月18日 共同通信)
労災ニュース : うつ病「労災」認定迅速化へ 2011年夏までに指針改正を目指す 厚労省
厚労省は、業務上のストレスが原因でうつ病などの精神疾患になった人の労災認定を迅速化するため、労災認定の「判断指針」を改正する方針を固めた。
現在平均8・7か月(昨年度)かかっているが、申請者から「治療や職場復帰が遅れる」との声が出ていた。同省では6か月以内の認定を目指す。15日から始まる専門家の検討会で協議し、来夏までの改正を目指す。
現指針は、ストレスの原因となる職場での具体的な出来事について「対人関係のトラブル」「長時間労働」などと例示した一覧表を基に、ストレスの強度を3段階で評価。その上で、職場外のストレスなどと比較し、職場の出来事が精神疾患の有力な原因と判断されれば原則として労災認定される。
(10月15日 読売新聞)
労災ニュース : リクルート社員 逆転敗訴 過労死と認められず 東京高裁
大手リクルートの編集者だった石井偉さん=当時(29)=がくも膜下出血で死亡したのは過重業務が原因だとして、北海道に住む遺族が労災と認めなかった国の処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は13日、請求を認めた一審判決を取り消し、遺族側の逆転敗訴とした。
井上繁規裁判長は「石井さんは社にいる時間が長く、時間外勤務もあったが、編集業務の特質や実際の勤務状況などを考慮すると特に過重とはいえない」と指摘。「発症は、先天的な脳血管の病変が業務に伴い自然経過を超えて悪化したためとは認められない」と述べた。
遺族側は上告の意向。
昨年3月の一審東京地裁判決は、深夜に及ぶ不規則な長時間労働や会社の実績・能力主義下での精神的負荷などを理由に、業務と死亡の因果関係を認めていた。
判決によると、石井さんは1992年に入社し、就職情報誌や就職情報サイトの編集者として勤務。96年8月に自宅で目まいなどのため自ら救急車を呼び入院した4日後、脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血で死亡した。
(10月13日 共同通信)
労災ニュース : 過労でうつ自殺 労災認定後、遺族ウェザーニューズに損害賠償を求め提訴
気象予報士の男性がうつ病になり自殺したのは、勤務先の気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)での長時間労働による過労が原因として、京都市の遺族が1日、同社に約1億円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。
原告側代理人によると、時間外労働が200時間を超える月もあり、千葉労働基準監督署はことし6月、「長時間労働による過労自死」と認定した。
訴状によると、男性=当時(25)=は2008年4月に入社後、千葉市の「予報センター」で天気予報の業務を担当。早朝から夜中までの勤務でうつ病を発症し、半年後の同年10月に自宅で自殺した。
同社では、入社後半年間の「予選」と呼ばれる試用期間に雇用継続を判断するシステムで、自殺前日には上司が男性に「予選通過は難しい」と告げていた。
原告側は「異常な長時間労働の上、健康管理を行わず、安全配慮義務違反は明らか」と主張。男性の兄(32)は提訴後の記者会見で「弟のような被害が二度と起こらないよう会社の労務管理の実態を明らかにしたい」と話した。
(10月1日 共同通信)