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法改正・改正案ニュース : 最低賃金 全国平均初の800円台に 2016年度全国改定
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全都道府県で今年度の最低賃金改定の答申が出そろい、厚生労働省が23日、公表。改定額は全国平均で823円(時給)と初めて800円台となり、平均引き上げ額は前年度比7円増の25円。時給で表示するようになった2002年度以降最大の引き上げで、政府が掲げる3%引き上げに相当する数字となった。
厚労省によると、改定後の額が最も高いのは東京都の932円、次いで神奈川県930円。静岡、兵庫県が新たに800円台となり、大都市圏の7府県が800円台になった。
前年度は最も低く600円台だった沖縄県や宮崎県も21円の引き上げで714円となり、全都道府県が700円台に乗った。
今年度は中央最低賃金審議会が示した引き上げの目安額を1円超えて引き上げた県が埼玉、兵庫、高知、島根など6県あった。大都市圏、地方都市とも「上積みしないと労働力を確保できない」との事情があったという。
東京都の最高額に対する宮崎、沖縄両県の最低額の比率は76・6%と、前年比で0・2ポイント改善したが、額の差は214円から218円に広がった。この「絶対額」の差は広がり続けることが、地方での労働力確保の難しさにつながっている。
最低賃金法は、最低賃金以下で人を雇うことを禁じているため、パートなど非正規労働者の賃金上昇に大きな影響を与える。最低賃金は10月1日から、全都道府県で1カ月以内に順次改定される。
(8月23日 毎日新聞)
労災ニュース : 新潟市民病院 女性研修医の自殺で遺族が労災申請 月251時間残業も
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新潟市民病院(新潟市中央区)に勤務していた女性研修医(当時37)が今年1月に自殺したのは、1カ月の残業が最長で251時間に上った長時間労働が原因だとして、遺族が17日、新潟労働基準監督署に労災申請を行った。
県庁内で記者会見した女性の夫や代理人の弁護士によると、女性は昨年4月から研修医として勤務していたが、同年秋ごろから眠れないなどの不調を訴えるようになり、自殺した。
遺族らが病院から開示を受けた通勤記録やカルテの閲覧歴を調べたところ、女性は「過労死ライン」とされる月80時間を上回る月100時間以上の残業を毎月繰り返していた。最長だった昨年8月は251時間に達していたという。
女性の夫は「病院は個人の労働時間をしっかりと把握しておらず残念だ。病院は体質を改めてほしい」と話した。新潟市民病院は「コメントは控える」としている。
(8月18日 産経ニュース)
その他ニュース : 外国人実習生受け入れ 最多3695事業所 2015年
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厚生労働省は、外国人を技能実習生として受け入れている事業所に対する2015年の監督指導状況を公表した。賃金の不払いや長時間労働などの労働基準法違 反は過去最多の3695事業所に上った。国は少子・高齢化で労働力人口が減少する中、外国人技能実習制度の利用などを通じて外国人労働者の活用を進めよう としているが、法令は順守されていない。
厚労省のまとめによると、実習事業を行う5173事業所に監督指導を実施し、うち3695事業所(前年比718件増)で労 働基準法関係法令の違反があった。違反率は71・4%だった。違反内容は、違法な長時間労働が22・6%と最多で、安全措置を講じ ないなどの安全基準違反、残業代などの賃金不払い、労働条件を明示しないなどが続いた。
摘発事例では、賃金台帳を偽造して最低賃金を上回る賃金と残業代を支払っているように見せかけ、実習生5人に約380万円を支払っていなかった被服製造 事業所があった。また、月100時間を超える残業をさせたうえ、残業代に法定の割り増しを付けず、最低賃金以下の時給500円しか払わなかっ たケースもあった。過労死ラインとされる残業100時間を超える労働を強いていた事業所の摘発が目立った。
(8月18日 毎日新聞)
労働法ニュース : 東広島市 山陽道トンネル事故 運行管理者ら労基法違反で書類送検
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東広島市の山陽自動車道「八本松トンネル」で3月に2人が死亡し多数が負傷した多重衝突事故で、渋滞の車列に突っ込んだト ラック運転手に過労運転を強いたとして、広島県警は16日、勤務先の運送会社「ゴーイチマルエキスライン」(現・ツカサ運輸、埼玉県川口市)の当時の統括 運行管理者で取締役の後藤隆司容疑者を、道交法違反(過労運転の下命)容疑で逮捕した。容疑は、事故前日の3月16日午後、皆見成導(なりみち) 被告(自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪などで公判中)に、十分に休養させなければ正常に運転できない恐れがあると認識しながら、川口市から 福岡市までの運行を指示し過労運転させたとしている。
県警によると、後藤容疑者は「運行させたが、疲れているとは思わなかった」と容疑を一部否認している。また、埼玉労働局川口労働基準監督署(川口市)は 16日、同社と後藤容疑者を労働基準法違反の疑いでさいたま地検に書類送検した。皆見被告の2月の時間外と休日の労働が計101時間51分に上り、悪質と 判断した。
(8月17日 毎日新聞)
社会保険ニュース : 厚生・国民年金 3.2兆円赤字 2015年度の運用損影響
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公的年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」 (GPIF)は、2015年度の運用実績が5兆3098億円の赤字になったと発表しました。世界的な株安が影響したためで、赤字になったのは10年度以 来、5年ぶり。赤字幅は、リーマン・ショックがあった08年度(9兆3481億円)、07年度(5兆5178億円)に次ぐ3番目の大きさでした。
ただ、今回の赤字を含めても、01年度以降の累積収益は計45兆4239億円の黒字を維持しています。運用収益など年金積立金から得られる財源は、全体の年金給付額の1割程度で、今回の含み損が直ちに給付額に影響を与えるものではないということです。
読者センターには、「運用している元本はいくらか」「年金の運用先を明確にすべきだ」「年金運用が市場に与える影響は大きい」などの問い合わせや要望などが寄せられました。
赤字の内訳は、国内株式(3兆4895億円)、外国株式(3兆2451億円)が大きく、比較的安全な資産とされる債券は、国内が2兆94億円の黒字で、国外は円高の影響もあって6600億円の赤字でした。
運用が大幅な赤字となった背景には、中国経済の減速への懸念な どから、国内外の株価が大きく下落したためです。14年10月には、国内外の株式や債券の割合を定めた基本ポートフォリオ(資産構成)を変更し、国内外の 株式割合の目安をそれぞれ12%から25%に引き上げたことで株価の影響を受けやすくなり、赤字幅を拡大させました。
値動きが大きい株式投資にはリスクが伴うため、長期の年金資金の運用には、安全性への配慮が不可欠です。巨額の年金資金を使って株式投資を積極化すれば、市場や株価への影響力は一段と大きくなるとみられます。
(8月11日 YOMIURI ONLINE)