新着情報
その他ニュース : 介護職員の増給は昇給ある事業所に限定 厚労省方針
以下、引用です。
政府の「ニッポン1億総活躍プラン」に盛り込まれた介護職員の処遇改善策の対象について、厚生労働省は勤続年数や資格などに応じて昇給する仕組みを設けた事業所に限定する方針を固めた。処遇改善に取り組む施設を評価し、介護現場の人材不足解消をめざす。
政府が6月に閣議決定した同プランでは、介護職員の昇進の仕組みを構築して賃金を平均で月1万円程度引き上げるとしている。厚労省は対象の事業所について、例えば「勤続3年未満なら一般職員で月給28万円、3〜6年なら班長32万円、6年以上なら主任36万円」など具体的な仕組みを設けることを条件とする方針。勤続年数だけでなく、資格や実技試験の結果などを考慮した場合も認める。
厚労省は事業所に対して具体的な昇進システムの導入を促し、処遇改善を進めやすくする。2017年度から実施する方針で、全国にある事業所のうち7割程度が対象になる見通し。必要な予算は約1千億円と見込んでいる。
厚労省の賃金構造基本統計調査(2015年)によると、介護職員の賞与を含む平均給与は月約26万円で、宿泊業や飲食業など対人サービス業の約27万円、全産業の約36万円に比べて低い。こうした処遇の低さが介護現場の人材不足の要因とみており、厚労省は処遇改善策を検討している。
(11月10日 朝日新聞)
会社を訴えるニュース : 糸島市 市職員の自殺は労働環境の整備不足 市に7800万円賠償判決
以下、引用です。
福岡県糸島市の男性職員(当時52歳)が過労でうつ病になって自殺したのは市が適切な労働環境の整備を怠ったためだとして、男性の妻ら遺族が市に約7800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が10日、福岡高裁であった。
金村敏彦裁判長は市の安全配慮義務違反を認め、請求を棄却した1審・福岡地裁判決を変更し、市に約1650万円の支払いを命じた。
男性は市農林土木課の担当課長だった2010年6月に自殺。市町村合併に伴う条例制定などの業務に追われ、自殺直前の1か月の時間外勤務は114時間に及んだ。1月の1審判決は、「時間外勤務が100時間を超えたのは自殺前の1か月だけで、業務が過度の負担をしいるものではなかった」などとして、原告の主張を退けた。
控訴審判決で金村裁判長は、「男性は自殺直前、業務が集中し、疲労や心理的負荷が過度に蓄積していたのに、上司が男性の過重業務を認識していなかった」と指摘し、市の安全配慮義務違反を認定。その上で、「上司が勤務時間を減らしたり、職務分担を変更したりすれば、自殺を回避することも可能だった」と言及した。
(11月10日 読売新聞)
労災ニュース : 廃棄物リサイクル会社 派遣労働者3人相次いで死亡労災事故 安全教育受けていなかった
以下、引用です。
廃棄物リサイクル会社「I・T・O」(奈良市)の2工場で今夏の約1カ月間に死亡労災事故が3件相次いだ問題で、作業中に死亡した3人はいずれも派遣労働者だったことが奈良労働局などへの取材で分かった。2012年に同社工場で重傷を負った元派遣労働者が「一度も安全教育を受けなかった」と訴訟を起こしていたことも新たに判明。奈良県警は安全管理が不十分だった可能性もあるとみて調べている。
「I・T・O」を巡っては、8月2日に吉野工場(奈良県大淀町)で男性(67)が木材チップを運ぶベルトコンベヤーに体を挟まれて死亡。同20日には南庄工場(奈良市)で男性(56)が後退してきたショベルカーと停止中のトラックに挟まれ、9月5日には廃材の破砕機に男性(45)が巻き込まれていずれも死亡した。他に11年にも南庄工場で破砕機による死亡事故が起きている。
県警や労働局によると、8〜9月に死亡した3人は正社員ではなく、いずれも別会社から派遣されていたが、I・T・O側の指揮下で作業をしていたとみている。同社には正社員、派遣労働者が各30人程度いるという。
9月5日の事故で死亡した男性は、破砕機に入れる廃材から石などを取り除く作業を初めて担当し、破砕機から1メートル以内の危険な場所にいた。捜査関係者は「マニュアルは存在し、巻き込まれる前につかまれる部分もあった。訓練すれば防げたのでは」と指摘する。
奈良、大淀両労働基準監督署は先月、労働安全衛生法違反容疑で8月の事故2件についてそれぞれ同社などを書類送検。2件目の事故は、資格を持たない派遣労働者(56)にショベルカーを運転させた容疑だった。
一方、吉野工場で働いていた元派遣労働者の男性(58)が、ベルトコンベヤーに右腕を巻き込まれて重傷を負ったとして、同社などに約4000万円の損害賠償を求めて奈良地裁葛城支部に提訴し、「ベルトコンベヤーの使い方などは自習した。安全教育もマニュアルもなく、安全配慮義務違反だ」と主張していることも分かった。
「I・T・O」と代理人弁護士は取材にそれぞれ「コメントできない」と話した。
(11月11日 毎日新聞)
未払い賃金 : 2年間無給で牛乳配達 女性働かせていた取締役を書類送検
以下、引用です。
青森労働基準監督署は8日、40代の女性従業員に2年間給料を支払わなかったとして、青森市古館の乳製品販売業「小岩井ミルクサービス青森」と代表取締役の男性(57)を最低賃金法違反(賃金不払い)の疑いで青森地検に書類送検した。女性は牛乳配達業務にも携わっており、「自分がやめると、配達先のお年寄りたちが困る」と考え、無給のまま働き続けていたという。
送検容疑は、2013年12月〜15年12月の賃金総額336万円を所定の期日に支払わなかったとしている。女性は06年の会社設立時からの従業員で、事務や経理業務も担当していた。会社の厳しい経営状況にも気づいていたが、男性は「なんとかする」などと話し続けていたという。同社は経営不振のため15年12月に女性を解雇し、現在は事実上閉鎖している。
(11月10日 毎日新聞)
労働法ニュース : ドン・キホーテ 時間外労働超過で略式命令 東京簡裁
以下、引用です。
労使協定で定めた上限を超える長時間労働を従業員にさせたとして、量販店を運営する「ドン・キホーテ」(東京都目黒区)が労働基準法違反の罪で、東京簡裁から罰金50万円の略式命令を受けていたことが3日、同社への取材で分かった。命令は10月26日付。今後納付するとしている。
ドン・キホーテを巡っては、2014〜15年、都内5店舗の従業員数人に労使協定で定めた3カ月120時間を超える時間外労働をさせたとして、今年1月に東京労働局が法人としての同社と執行役員ら8人を書類送検していた。10月13日付で法人のみが略式起訴されたという。同社は「全社を挙げて関係法令の順守を徹底する」とコメントした。
(11月4日 毎日新聞)