新着情報
労働法ニュース : 残業80時間超で企業名を公表 基準厳しく 厚労省
以下、引用です。
大手広告会社・電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)の過労自殺問題を受け、厚生労働省は26日、違法な長時間労働があった大企業に対し、行政指導段階での企業名の公表基準を引き下げることなどを盛り込んだ緊急対策を公表した。
現行の月100時間超の違法な長時間労働を、月80時間超に見直す。早ければ来年1月に各労働局に通達し、適用する。
行政指導段階での企業名の公表について、昨年5月に導入された現行の基準は、1年間に3事業所で、10人以上または4分の1の従業員に月100時間超の違法な長時間労働があった場合としている。しかし、過労による労災認定についての基準はなく、これまでに公表されたのは1社だけだった。
今回の見直しでは、長時間労働の基準を月80時間超に引き下げ、事業所数も年間2か所とした。また、複数の事業所で過労が原因の労災が認定された場合も、新たに公表の対象に加えた。
(12月27日 毎日新聞)
会社を訴えるニュース : ファミリーマート 店員残業月210時間超 過労死で和解 4300万円支払いへ 大阪地裁
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コンビニ大手ファミリーマートの男性従業員当時(62)が勤務中に脚立から落ちて死亡したのは、2店舗の掛け持ちによる過重労働が原因だったとして、遺族がフランチャイズ(FC)の店舗オーナーとファミリーマートに損害賠償を求めた訴訟は、大阪地裁で和解が成立したことが29日分かった。運営会社がFC加盟店での労務管理に監督義務があることを認めた初の過労死訴訟とみられる。
和解は22日付。ファミリーマートとオーナーが約4300万円を支払うとともに、オーナーが謝罪し、ファミリーマートが遺憾の意を表してFC加盟店に労働法規の順守を促す。遺族の代理人弁護士は「画期的な和解内容」としている。
訴状によると、男性は平成24年12月、大阪府大東市内の店舗で勤務中、意識を失って脚立から転落。翌年1月、急性硬膜下血腫で死亡した。
男性はオーナーから2店舗の掛け持ち勤務を命じられており、直前までの半年間の時間外労働(残業)は過労死ライン(月80時間)を上回る月218〜254時間に及んでいた。遺族が27年4月、約5800万円の損害賠償を求めて提訴していた。
ファミリーマート広報室は取材に「和解成立は事実と認識しているが、守秘義務があるので詳細なコメントは差し控えさせてほしい」としている。
(12月29日 産経新聞)
労災ニュース : トラック運転手 1日20時間労働 鬱病で労災認定 八王子労基署
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明豊物流(東京都町田市)に勤めていたトラック運転手の女性(41)が、長時間労働で鬱病を発症し、八王子労働基準監督署町田支署が労災認定していたことが27日、分かった。認定は19日付。
女性と代理人の弁護士らが27日、厚生労働省内で記者会見した。女性は「せめて奴隷ではなく人間として働きたいと思った。人間らしく働ける会社になるべきだ」と話した。
女性は平成21年3月に入社し、4トントラックでの配送を担当。荷量が多く渋滞も多いコースを走り、1日20時間働くこともあった。休憩時間も取れず、食事も運転しながら食べることがほとんどだったという。
26年末ごろに運転中にめまいや動悸が激しくなり、鬱病を発症した。休業中の27年7月に解雇され、今年4月に労災申請していた。
明豊物流は「コメントはない」としている。
(12月27日 産経新聞)
会社を訴えるニュース : 日産自動車 元派遣社員ら 雇止めの訴訟 敗訴確定 最高裁が上告退ける
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日産自動車と日産車体で派遣社員や期間従業員として働いていた4人が、雇い止めは不当だとして会社側に雇用継続や損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷は原告の上告を退ける決定をした。21日付。原告敗訴の2審判決が確定した。
確定判決によると、4人は神奈川県内の工場で働き、リーマン・ショック後の平成21年に雇い止めとなった。
1審横浜地裁判決は「人員削減が必要で、雇い止めには合理性があった。違法ではない」などとして請求を棄却。2審東京高裁も支持した。提訴時の原告は5人だったが、1人は上告していない。
(12月26日 産経新聞)
労災ニュース : アスベスト石綿 918事業所を公表 695カ所が初労災認定 厚労省
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厚生労働省は20日、従業員がアスベスト(石綿)を吸って病気になり2015年度に労災認定や救済認定された918事業所の名称や病名、人数などを公表した。うち76%の695カ所が初めて認定があった事業所だった。
石綿による労災で、認定や救済を受けた人は前年度より47人少ない1053人。肺がんが29人、石綿肺が14人それぞれ減った。肺がんは、認定基準の厳しさが影響していると指摘があり、労災の申請件数自体も前年度より51件減少している。公表事業所数も前年度に比べて21カ所減った。
「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」事務局の片岡明彦さんは「石綿関連の患者の多くが労災の申請をしない。労災の証明が困難だと誤った説明を受けた患者もいる。国は、窓口の敷居の高さを改めるべきだ」と提言している。厚労省は「新聞広告や事業所への依頼によって制度の周知に努めたい」と話す。
(12月21日 毎日新聞)