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労働法ニュース : 添乗員 みなし労働制は妥当 残業代・同額の付加金支払い命令
阪急トラベルサポート(大阪市)から「事業場外みなし労働制」の適用を理由に残業代が支給されなかったとして、派遣添乗員6人が計約2400万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、適用を妥当と判断する一方、計約2300万円の支払いを命じた。
事業場外みなし労働制は労働基準法で定められ、会社の指揮・監督が及ばず、労働時間の算定が困難な場合に一定時間働いたとみなされる。同社をめぐっては5月、東京地裁が別の添乗員のケースで適用条件を満たしていないと判断。7月には適用を妥当とする判決が出ており、判断が分かれている。
村田一広裁判官は
「添乗員は長距離にわたる移動をし、旅程を管理するという業務の性質上、労働時間を認定することは困難が伴う」とみなし労働制の適用は適切と指摘。一方、添乗員らの従事したツアーごとにみなし労働時間を判断し、割増賃金計約1140万円と、さらに同額の付加金も併せて支払うよう認定した。
(9月29日 共同通信)
社会保険ニュース : 2013年度導入の高齢者医療新制度、対象75歳以上に
厚生労働省は25日、75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度を廃止して2013年度に導入する新制度について、対象年齢を75歳以上とする方針を決めた。27日に開く「高齢者医療制度改革会議」に案を示す。
厚労省は65歳以上で区分すると65〜74歳の保険料の見直しが必要となり、負担増となる高齢者からの反発が予想されると判断。さらに今まで以上に税負担が膨らむことが分かったため、対象年齢を75歳以上とした。
この結果、国保に加入する65〜74歳の保険料負担は新制度の影響をほとんど受けない見通しだ。75歳以上の保険料負担についても、厚労省は「負担が急増しないように配慮する」と説明。現役世代からの支援金などを増やし、現行制度と同じ水準にとどめる。
(9月25日 日経新聞)
その他ニュース : 大卒者向けハローワーク、全国に設置 厚労省
厚生労働省は24日、就職活動中の大学生や大学を卒業しても仕事が見つからない既卒者を対象に「新卒応援ハローワーク」をすべての都道府県の労働局に設置したと発表した。これまでも全国のハローワークで学生向けの就職支援を手がけていたが、新たに専用のスペースを設置。民間企業で人事経験などのある専門の相談員を4倍以上に増やし、体制を強化する。
また、
卒業後、3年以内の既卒者の採用に関して奨励金を払う制度を同日付で始めました。
- 有期雇用を経て正社員にした企業に1人当たり「最大80万円」
- 新卒者として雇い入れる企業にも1人当たり「100万円」
ともに企業がハローワーク経由で求人の申し込みをするのが条件です。
(9月24日 日経新聞)
労働法ニュース : 職業安定法に抵触か?日航子会社の内定取り消し 大阪労働局調査
経営再建中の日本航空の子会社、ジャルエクスプレス(JEX、清水佳人社長、本社・東京)が、自社養成パイロット訓練生として入社予定の内定者26人に事実上の内定取り消しを言い渡した問題で、大阪労働局が職業安定法に触れるおそれがあるとみて事実確認を進めている。関係者への取材でわかった。
大阪労働局が担当するのは、JEXの事業拠点が大阪国際空港にあるため。関係者によると、JEXが採用方針を変更した経緯に法的な問題がなかったかを調べる方針。通常は企業が内定者に入社時期を明示するが、今回は、パイロットという職種の特殊性や、JEXが当初から入社時期を「10年8月以降」とあいまいな表現にとどめた点をどう判断するかが焦点とみられる。
職業安定法は、
企業が年度内に10人以上の採用内定を取り消したり、取り消し対象者に十分な説明や就職支援をしなかった場合、事業所名を公表し是正指導をすると規定する。
26人は大卒者で
- 09年10月の内定式に出席。 「入社時期は10年8月以降」と通知
- 日航の経営破綻(はたん)後、JEXは
「入社時期が10年12月か11年3月にずれ込む」と説明し、採用方針に変更がないことを強調 - 4月には日航グループ合同入社式にも出席
- ところがJEXは8月中旬、内定者に「訓練生として入社していただく結論に至らなかった。グループ会社の地上職として入ることも相当厳しい」と事実上の内定取り消しを通告
併せて転職のための支援金やプログラムを検討中と伝え、それらを活用した場合「内定辞退とみなす」と付言していた。
(9月26日 毎日新聞)
その他ニュース : 個別労働紛争、過去最多 労働委員会に09年度503件
中労委は24日、労働条件などをめぐる労働者個人と使用者間の個別労働関係紛争で、地方の労働委員会が受けた2009年度のあっせん申請は08年度より4・6%増の503件に上り、01年度の制度発足以来最多だったと発表した。
個別労働関係紛争のあっせんは、知事部局などで行っている東京都、兵庫県、福岡県を除き、44道府県の労働委員会が実施。中労委は「08年秋のリーマンショックによる景気後退の加速、雇用情勢の深刻化の影響ではないか」としている。
前年度からの繰り越し分を含む09年度の紛争解決率は62・7%で、
あっせんの内容は
- 「解雇」220件
- 「賃金未払い」100件
- 「年次有給休暇」44件
あっせんの当事者となった労働者の雇用形態では
- 「正社員」60・9%
- 「パート・アルバイト」17・8%
- 「派遣労働者・契約社員」16・2%
の順だった。
(9月24日 共同通信)