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労働法ニュース : 岐阜の高校生、壁倒壊死事故 解体時、資格者が不在 労働安全衛生法違反
岐阜市の解体会社「丸萬後藤興業」が工場を解体中に外壁が倒壊し、女子高生(17)が下敷きになって死亡した事故で、当時、鉄骨入りの建築物の解体に必要な資格を持つ社員が現場を離れていたことが分かった。労働安全衛生法は、有資格者(作業主任者)を現場に配置するよう定めている。ただし業界関係者によると、資格を持つ社員が現場にいないことは度々あり、制度は形骸(けいがい)化しているという。
労働安全衛生法は、
高さ5メートル以上の建物の骨組みなどを解体する際、必要な技能講習を受けた「建築物等の鉄骨の組み立て等作業主任者」が現場を指揮するよう
規定している。
倒壊した壁は高さ約11メートル。捜査関係者によると、資格を持つ社員は事故の起きた14日の朝に現場を訪れたが、発生当時は別の現場にいたとみられる。事故現場の指揮は、コンクリート製の工作物の解体に必要な別の資格しか持たない社員に任せていたという。
業界関係者によると、同様の運用例は他の業者でもあるという。岐阜県内のある会社には有資格者は1人しかいないが、現場は1日3〜5カ所あり、有資格者が巡回している。男性社長は「講習を受けたからといってすぐ現場指揮はできず、結局ベテランが指揮する。体裁上、有資格者はいるが、事故防止につながるとは思えない」と弁明する。
(10月18日 毎日新聞)
その他ニュース : 紳士服AOKI労働組合 8割脱退 「会社が違法脱退勧奨」 労働委員会へ救済
大手紳士服店チェーン「AOKI(アオキ)」を展開する「株式会社AOKI」(横浜市)の企業内労働組合「AOKIグループユニオン」で、9月末までの4カ月で組合員の8割を超える約1380人が組合を脱退したことがわかった。ユニオンは「会社側が異動や解雇をほのめかす違法な脱退勧奨をした」と訴え、神奈川県労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。
会社が組合を辞めるよう促したり、組合活動を理由に解雇や配置換えをしたりすることは労働組合法が禁じた不当労働行為にあたる可能性がある。労働委員会が救済命令を出しても従わない場合は50万円以下の過料が科される。
ユニオンによると、組合員数(契約社員、パートらを含む)は6月10日時点で1642人だったが、6月下旬から急に脱退が目立ち始めた。8月28日には139人、同29日には175人が一度に脱退した。今月15日現在の組合員は255人まで減った。
ユニオンの主張では、複数店舗を統括するマネジャーが7月ごろから、部下を店の事務室に呼び出すなどして個別に面談。「トップが組合を毛嫌いしている」「脱退しないと異動させられる」などと言って脱退を促したという。
朝日新聞の取材に応じた30代の女性社員は9月上旬、上司から電話で「トップが組合をやめない者は解雇だと言い切った。今日中に脱退届をファクスして」と脱退を迫られ、慌てて組合事務所などにファクスを送った。「解雇と聞いて急に怖くなった」と振り返る。
ユニオンはこうした脱退勧奨が組織的に行われたと主張。マネジャー同士のメールの写しとして「部下さんの為に!を前提に1人目標10名で頑張りましょう」などと記した文書を労働委に証拠提出した。
(10月17日 asahi.com)
労災ニュース : うつ病「労災」認定迅速化へ 2011年夏までに指針改正を目指す 厚労省
厚労省は、業務上のストレスが原因でうつ病などの精神疾患になった人の労災認定を迅速化するため、労災認定の「判断指針」を改正する方針を固めた。
現在平均8・7か月(昨年度)かかっているが、申請者から「治療や職場復帰が遅れる」との声が出ていた。同省では6か月以内の認定を目指す。15日から始まる専門家の検討会で協議し、来夏までの改正を目指す。
現指針は、ストレスの原因となる職場での具体的な出来事について「対人関係のトラブル」「長時間労働」などと例示した一覧表を基に、ストレスの強度を3段階で評価。その上で、職場外のストレスなどと比較し、職場の出来事が精神疾患の有力な原因と判断されれば原則として労災認定される。
(10月15日 読売新聞)
助成金ニュース : 円高影響 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)要件緩和 平成22年12月より
雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)について厚生労働省は8日、急激な円高の影響により生産量の回復が遅れている事業主の雇用維持を支援するため、更なる支給要件を緩和することを発表しました。平成22年12月より適用です。
現在>>>
直近3カ月の生産量平均が「前年同期比5%以上減少」した場合に支給されています。
12月より>>>
以下のいずれにも該当する場合についても、雇用調整助成金の支給の対象となります。
- 円高の影響により生産量が減少
- 直近3か月の生産量が3年前の同時期に比べ15%以上減少
- 直近の決算等の経常損益が赤字
厚生労働省リーフレットは⇒こちら
労働法ニュース : 86日連続勤務し追突死、労働基準法違反(休日労働)で社長らを書類送検
さいたま労基署は13日、埼玉県新座市の清掃会社「山大
作業員が6月、連続勤務86日目にトレーラーで追突事故を起こし、死亡していた。
発表によると、死亡したのは東京都清瀬市下宿、清掃作業員松村和彦さん(当時35歳)で、社長らは5月30日〜6月26日、休日なく松村さんを就労させた疑い。「人手不足だったため、優秀な松村さんに仕事が集中してしまった」と容疑を認めているという。
松村さんは6月29日未明、千葉県習志野市の国道で、道路右側に停車中のトレーラーに追突し、出血性ショックで死亡。事故後に同署が調査した結果、4月5日〜6月29日まで無休で勤務していた実態が確認された。中には拘束時間が20時間近くの日もあったという。取材に対し、同社社長は「就業規則の改定や人員増強など、改善を進めている」と話した。
(10月14日 読売新聞)