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労災ニュース : アスベスト労災訴訟 労災不認定の処分取り消し請求を棄却 神戸地裁
以下、引用です。
川崎重工業神戸工場(神戸市)の造船所で働いていた元社員、丸本佐開さん(死亡時66歳・同市西区)が肺がんで死亡したのはアスベスト (石綿)が原因として、妻津枝美さん(70)が労災不認定の処分取り消しを求めた訴訟で、神戸地裁は5日、請求を棄却した。工藤涼二裁判長は「石綿にさら される機会は10年以上あったが、(認定基準の一つの)胸膜プラークが認められない」と述べた。原告側は控訴する方針。
判決では、丸本さんは1967〜94年、船内の溶接作業などに従事し、2003年、肺がんで死亡した。遺族が遺族補償給付を申請したが、06年、神戸東労基署は不支給とした。
原告側は「同時期に同じ工場で働いた従業員の少なくとも19人が石綿が原因の労災認定を受けた」と主張したが、判決は「丸本さんと同様の作業に従事したか明らかでない」などとして退けた。
判決後に記者会見した津枝美さんは「死亡時に石綿の存在を知らず救済から漏れている人がいる。認定基準を見直すよう国に訴えていきたい」と話した。
(11月5日 毎日新聞)
労災ニュース : JR西日本「自殺は恒常的な長時間労働が原因」男性社員の遺族ら訴え
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JR西日本に勤務していた男性(当時28歳)がうつ病を発症して自殺したのは恒常的な長時間労働が原因だとして、男性の妻と両親が同社を相手取り、約1億9000万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。25日に第1回口頭弁論があり、JR西は請求棄却を求めた。
訴状によると、男性は大学院修了後の2009年4月に入社。11年6月以降、大阪保安システム工事所に所属し、ポイントや信号機システムなどの保安業務を担当していたが、超過労働が原因でうつ病を発症し、昨年10月2日、勤務先近くのマンションから飛び降り自殺した。
原告側は訴状で、男性の時間外労働は、パソコンの稼働時間から、自殺直前の昨年9月は160時間を超えていたと主張。「昼夜連続勤務や休日出勤で250時間に上った月もあり、常軌を逸するものだった」としている。保安業務は、乗客の安全確保のためミスが許されない責任の重い仕事だったという。タイムカードなどで労働時間を適正に把握しなかったなどとして、JR西に注意義務違反や雇用契約上の安全配慮義務違反があったと訴えている。男性の自殺について、尼崎労働基準監督署は今年8月、業務上の死亡と判断し、労災認定している。
JR西の代理人弁護士によると、長時間労働と自殺の因果関係や同社の責任は大筋で認める方向だという。
(10月25日 SankeiBiz)
労災ニュース : アスベスト 孫請け従業員、知人の証言基に労災認定へ 長崎
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三菱重工業長崎造船所(長崎市)の孫請けで働き作業中に吸い込んだアスベスト(石綿)が原因とみられる中皮腫になった長崎市の東尾守人さん(故人)に対する長崎労働基準監督署の労災保険の不支給処分を、長崎労働局の長崎労働者災害補償保険審査官が取り消していたことが21日、分かった。知人の証言を基に判断した。同労基署は労災認定手続きを進める。
石綿に関わる労災認定では関連書類や同僚の証言が必要。物証に乏しい孫請け労働者が知人の証言で労災を認められれば珍しいケースになるという。取り消しは9日付で、東尾さんの行政不服審査請求に基づいて行われた。東尾さんは今月15日に77歳で死亡した。
東尾さんは1950年代、船の配管に断熱用の石綿を巻く作業に従事。2007年ごろに悪性胸膜中皮腫を発症。12年に労災認定申請したが、長崎労基署は今年3月「客観的証拠がない」と不支給処分にした。同審査官は現場で石綿を扱っていたとする知人の証言は信頼できると判断した。
(10月21日 Sankeibiz)
労災ニュース : 過労死防止基本法 超党派議連が骨子案作成
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過労死を防ぐための基本法の制定へ、国会が動き始めた。与野党70人以上が加わる超党派の国会議員連盟の各党代表者が17日、世話人会を開き、国の責務などを盛り込んだ骨子案をまとめた。各党で議論し、開催中の臨時国会での成立を目指す。
1980年代後半から社会問題化した過労死は、若年化も目立つ。遺族らは、国レベルで対策を進めるよりどころになる法律が必要とし、2年前に実行委員会をつくり、制定を求めてきた。今年六月に議連が結成され、実行委員会の案を基に骨子案を作成した。
名称は「過労死等防止基本法」
個人の問題ととらえられがちな過労死を、過労自殺や過重労働による疾患も含めて、社会的に取り組むべき問題と明記。国の責務として、遺族や学識経験者で構成する会議の意見を聴いて基本計画を作り、総合的な対策を進めることを盛り込んだ。過労死の実態も調べ、政府が毎年国会へ報告するとしている。
厚生労働省によると、昨年度は脳・心臓疾患による過労死で123人が労災認定された。精神疾患による自殺は93人が認定された。
(10月18日 東京新聞)
労災ニュース : 従業員過労死 日本海庄や7863万円賠償命じた判決確定 最高裁
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居酒屋チェーン「日本海庄や」で男性従業員が過労死したとして、両親が経営会社「大庄」(東京都)と平辰(たいらたつ)社長ら役員4人に計約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、同社側に計7863万円の賠償を命じた一、二審判決が確定した。最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)が24日付の決定で、同社側の上告を退けた。
従業員は、京都市北区の吹上(ふきあげ)元康さん(当時24)。一、二審判決によると、吹上さんは2007年4月に大庄に入社し、大津市内の店で調理などを担当。同年8月、自宅で就寝中に急性心不全で死亡した。
10年5月の京都地裁判決は、月80時間の時間外労働をしなければ減給される制度のもとで、吹上さんが過労死したと認定。不合理な労働実態を認識しながら是正しなかったとして、平社長らの賠償責任を認めた。11年5月の大阪高裁判決もこの判断を支持した。
(9月26日 朝日新聞)