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社会保険ニュース : 加入の厚生年金基金脱退認める判決 長野地裁
以下、引用です。
県建設業厚生年金基金(長野市)に加入する昌栄土建興業(諏訪郡原村)が、同基金の財政悪化などを理由に基金からの脱退を求めた訴訟で、長野地裁(山本剛史裁判長)は24日午後、脱退を認める判決を言い渡した。
厚生年金基金(厚年基金)からの「脱退の自由」をめぐる判決は厚生労働省なども把握しておらず、異例の司法判断。全国では、ことし2月に発覚したAIJ投資顧問(東京)による年金資産消失事件を機に基金からの脱退や基金の解散を検討する動きが広がっており、影響を与えそうだ。
県建設業厚年基金では2010年に20億円を超える使途不明金(その後23億8700万円余と判明)が発覚、行方不明となった当時の事務長が業務上横領容疑で指名手配されている。
こうした事態を背景に昌栄土建興業は11年1月、「基金の将来に全く期待できなくなった」として、脱退に必要な1千万円以上の負担金を支払う意向も示し、脱退を申し出た。しかし、同基金代議員会は「不承認」と議決。民事調停でも折り合わず、同社が11年6月に提訴した。
原告側は、負担金の支払いなど厚生年金保険法が定める条件を満たせば脱退は認められるべきだと主張。これに対し被告の基金側は、厚年基金制度は加入企業が協力して運営する仕組みで「脱退が相次げば存続できない」とし、基金を維持するために代議員会は脱退を制限できると反論していた。
また、原告側は、「民法上の組合」では、脱退の自由を制限する契約は無効とする最高裁判例があると指摘。被告側は、厚年基金には公的な性格があり、「民法上の組合」の判例は当てはまらないとし、見解が対立していた。
判決は、基金は公的な性格を持つことから基金存続を図るために事業所の脱退に一定の制限をすること自体は「合理性がある」とする一方、「やむを得ない事由がある場合には、脱退に代議員会の議決または承認は不要である」と指摘。
県建設業厚年基金について多額の不明金が出ていることや、事務長が行方不明となり指名手配されるなどしていることから「運営方法について重大な疑義があり、基金の存続が危ぶまれている状況にあると言わざるを得ない」とし、「原告が基金に対して信を置くことができないと判断しても無理はなく、脱退することにやむを得ない事由がある」と結論付けた。
(8月24日 毎日新聞)
セクハラ・パワハラニュース : 奈良県立医大女性教授 パワハラ!部下の講師に「資質ない」と退職迫る
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奈良県立医大は23日、医学部看護学科の女性教授(41)が直属の部下にパワーハラスメント(職権による人権侵害)をしたとして、停職1か月の懲戒処分にしたと発表。処分は16日付。
大学によると、教授は昨年2〜3月、40歳代の女性講師に「資質がない」とメールで退職を迫り、講師の連絡箱に他大学の教員募集の案内を入れるなどのパワハラを計5回繰り返した。
講師は抑うつ状態となり、昨年2月、大学に相談。大学は翌月、教授と講師の職場を別にしたが、教授はその後も退職を迫るメールを5回送り、文書も1回、講師あてに郵送した。講師は今年3月末に退職した。
教授は大学の調査に事実関係を認めたが、「パワハラをした認識はない」と話しているという。大学の大西峰夫理事は「誠に遺憾。再発防止に努めたい」と話している。
(8月23日 読売新聞)
その他ニュース : 最低賃金、相変わらず生活保護下回る 逆転続く 東京都・大阪府等 平成24年度
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地域別最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の給付水準を下回る「逆転」が起きている11都道府県のうち、北海道や宮城県など6都道府県で、2012年度の最低賃金改定後も逆転が続くことが22日、分かった。
11都道府県の地方審議会が同日までに最低賃金の改定額を答申した。最低賃金の収入の方が低いと労働者の働く意欲をそぎかねないが、逆転の完全解消は13年度以降に先送りされた。
◆逆転が続くのはこのほか東京都、神奈川県、大阪府、広島県
◆解消するのは青森県、埼玉県、千葉県、京都府、兵庫県
(8月22日 共同通信)
助成金ニュース : 中小企業緊急雇用安定助成金(雇用調整助成金)支給要件を見直し 平成24年10月1日
厚労省は平成24年10月1日から、雇用調整助成金と中小企業緊急雇用安定助成金について、支給要件の見直しを行うことを発表。平成20年9月リーマン・ショック後、雇用調整助成金等の支給要件を緩和してきましたが、経済状況の回復に応じて見直すことになりました。
【見直しを行う要件の概要】
◆生産量要件の見直し
・「最近3か月の生産量または売上高が、その直前の3か月または前年同期と比べ、5%以上減少」
を
「最近3か月の生産量又は売上高が、前年同期と比べ、10%以上減少」
・中小企業事業主で、直近の経常損益が赤字であれば、5%未満の減少でも助成対象としていましたが、この要件を撤廃します。
◆支給限度日数の見直し
「3年間で300日」
を
平成24年10月1日から「1年間で100日」に
平成25年10月1日から「1年間で100日・3年間で150日」
◆教育訓練費(事業所内訓練)の見直し
「雇用調整助成金の場合2,000円、中小企業緊急雇用安定助成金3,000円」
を
「雇用調整助成金の場合1,000円、中小企業緊急雇用安定助成金1,500円」
上記について、 岩手、宮城、福島県の事業主は、6か月遅れで実施します。
労災ニュース : アスベスト、尼崎周辺住民の健康被害初認定 クボタに賠償命令 神戸地裁
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大手機械メーカー、クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民2人が中皮腫で死亡したのは、同工場から飛散したアスベスト(石綿)が原因として遺族がクボタと国を相手取り、計約7900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が7日、神戸地裁であった。小西義博裁判長は1人については「飛散した石綿に曝露した」と認定し、クボタに約3195万円の賠償を命じた。国への請求は棄却した。
工場労働者や運搬作業員以外に、周辺住民の石綿による健康被害に対し企業の責任を裁判所が認めたのは初めて。原告側は「クボタの責任が認められたことが大きな一歩。初めてアスベスト被害が公害として認定された」と評価した。
原告は、旧神崎工場から約200メートル離れた別の工場に勤務していた山内孝次郎さん(平成8年死亡、当時(80))と、約1キロ離れた地区に住んでいた保井綾子さん(19年死亡、同(85))の遺族4人。クボタは被害発覚後、周辺住民らに最高4600万円の救済金を支払ってきたが遺族らは受け取らず「責任を認めて謝罪してほしい」として提訴していた。
判決理由で、小西裁判長は運搬時の破れた麻袋からの漏出▽建物開放部からの飛散集塵(しゅうじん)機の性能の限界などから「工場敷地外への飛散を十分に防ぐことができていなかった」と認定。中皮腫を発症した周辺住民の居住地と神崎工場までの距離などを研究した学術論文に基づき、山内さんについては「発生源が旧神崎工場と推認させる」としてクボタの責任を認定した。保井さんについては、居住地が離れており「関連性があると断定できない」と判断した。
(8月7日 産経ニュース)