アスベスト(石綿)が原因 肺がん死亡男性の労災認める 神戸地裁
以下、引用です。
アスベスト(石綿)が飛散する建設現場で10年以上働き、2008年3月に肺がんで死亡した男性(当時60歳)の妻(57・神戸市須磨区)が労災不認定の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、神戸地裁は12日、労災と認め処分を取り消した。
男性は、肺に残った石綿小体(たんぱく質で包まれた石綿繊維)の数が国の基準に満たないとして労災が認められなかったが、工藤涼二裁判長は「国の基準に合理性は認められない」と指摘した。
石綿による肺がんを巡る国の労災基準(07年)は、従事期間が10年以上で石綿小体が肺1グラム当たり5000本以上としている。 判決によると、男性は1967〜03年、型枠大工として建設現場で働いた。男性の石綿小体は918本で、神戸西労基署は09年8月、「業務上の疾病とは認められない」として労災不認定とした。
判決は「男性が吸った石綿は石綿小体を形成しづらいものが主体だった。石綿小体数を基準とすることに合理性は認められない」と指摘。その上で「一般人より明らかに高いとされる1000本に近い石綿小体が検出されており、業務に起因すると認めるのが相当」と判断した。
妻は判決後に記者会見し、「労災が認められてうれしい。何回も諦めかけたが、今は感謝の気持ちでいっぱい」と話した。主任弁護人の位田(いだ)浩弁護士は「判決の考えに従えば、もっと救済されるケースがあるだろう」と評価した。
(5月12日 毎日新聞)
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