介護保険「要支援1・2の軽度者を除外」 厚労省検討
以下、引用です。
厚労省は15日、介護保険制度で比較的介護の必要度が低い「要支援1」「要支援2」と認定された人について、介護保険の対象から切り離すことを含め、制度を見直す検討を始めた。急増する介護費用を抑えるためで、ボランティアなどを活用した市町村の事業に移すことを視野に入れている。ただし、市町村間でサービス内容に差が出かねず、「軽度者の切り捨てになる」との批判も強い。
要支援1は介護の必要度に応じた七つの認定区分のうち、最も必要度が低い。日常生活の基本動作はほぼ自分でできるものの、配食など一部に支援が必要とされる。要支援1、2は、重度化を防ぐ介護予防の観点から2006年度に新区分として導入された。12年末の全認定者約554万人のうち、要支援1、2の人は計約150万人。
介護費用は約7.8兆円(10年度)で、うち要支援向けは約0.4兆円と5%程度。だが、25年の全体の介護費は21兆円に膨らむ見通しで、現在月4972円の保険料(65歳以上、全国平均)も8200円程度(同)にアップする見通し。制度を続けるには、配食や見守りなど軽度の人へのサービスを見直す必要があると判断した。
政府の社会保障制度改革国民会議は先月、軽度の人へのサービスを市町村事業に移すことを論点として挙げた。15日の社会保障審議会介護保険部会でも議論され、厚労省は年内にも方向性をとりまとめる意向だ。
同省は昨年4月から、要支援者らへのサービスを市町村が選んで提供できる事業を始めた。それでも内容は全国一律でなく、田村憲久厚労相は7日の記者会見で「いきなり(要支援向けサービスを)地域に移すとかなり差が出てくる」と慎重な姿勢も示している。
(5月15日 毎日新聞)
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