解雇規制、緩和見送り 産業競争力会議が雇用制度改革案
以下、引用です。
政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は23日、成熟産業から成長産業への人材移動を後押しする雇用制度改革の骨格を決めた。従業員の転職を支援する企業向け助成金の拡充などが柱。企業から要望が強かった解雇規制の緩和は民間議員が主張を取り下げ、6月に策定する成長戦略には盛り込まない方向になった。
政府は離職する労働者の再就職を支援する事業主向けの「労働移動支援助成金」の対象を来年度にも中小企業から大企業に広げる。離職前に職業訓練を実施した企業に上乗せするほか、雇う側の企業内訓練に助成する制度もつくる。雇用維持を支援してきた雇用調整助成金を大幅に絞り込んで財源を捻出する。
職務や勤務地を絞った限定正社員制度の普及も促す。賃金は従来の正社員より安いことが多いが、社会保険にも加入できる。子育てや介護と両立しやすい利点があり、多様な働き手の確保につながる。契約社員と異なり期限を定めずに雇用されるが、就業規則や労働契約で定めた職務がリストラなどで廃止されれば雇用契約は終わる。
限定正社員の普及策は規制改革会議や経済財政諮問会議でも検討し、厚生労働省は就業規則のひな型を作る方針だ。ただ解雇規制の緩和など痛みを伴う改革は成長戦略に入らない方向になった。企業経営者ら競争力会議の民間議員は「過剰な規制を見直し、諸外国並みにすべきだ」と指摘。労働契約法に「解雇自由」の原則を規定し、再就職支援金を支払えば解雇できる「事前型の金銭解決制度」を導入するよう求めていた。産業界は正社員を解雇しにくいことが新規採用を通じた雇用拡大の阻害要因になっており、成長産業への労働移動も妨げていると主張している。
(4月23日 日本経済新聞)
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