祇園暴走事故 てんかん認識も運転止めず 雇用主書類送検
以下、引用です。
京都市東山区の祇園で昨年4月、軽ワゴン車が暴走し歩行者ら19人が死傷した事故で、京都府警は11日、持病のてんかん発作で事故を起こしたとして、京都市西京区の会社員、藤崎晋吾容疑者(当時30歳死亡)を自動車運転過失致死傷容疑で書類送検した。また雇用主で東山区にある藍染め製品販売会社の女性社長(71)も、持病を認識していたのに仕事での運転をやめさせなかったとして、業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
府警によると、運転手のてんかんが原因の事故で、雇用主が刑事責任を問われるのは全国初という。
藤崎容疑者の容疑は、昨年4月12日午後1時5分ごろ、祇園の大和大路通で軽ワゴン車を運転中、持病のてんかん発作を起こし、360メートルにわたり暴走。四条通交差点などで歩行者ら19人をはねて死傷させた、とされる。
府警によると、司法解剖結果などから▽抗てんかん薬の成分が発作を抑える濃度に達しておらず、医師の指示通りに服用していなかったとみられる▽体調不良で解熱剤を服用していた−−ことが判明。事故当日は発作を起こしやすい状況だったと判断した。また複数の専門家から、「複雑部分発作」と呼ばれる発作の場合は意識がもうろうとなるが、事故時のようなハンドル操作は可能との意見を得た。藤崎容疑者は以前から同様の発作を起こしていたという。府警は、藤崎容疑者が発作で一時意識を失ってタクシーに追突後、意識がもうろうとした状態でハンドル操作をしながらアクセルを踏み続け、時速約70キロで電柱に衝突したと結論づけた。藤崎容疑者は約10年前にバイク事故で頭部を打ち、06年に外傷性てんかんと診断された。医師から車の運転を止められていたが、07年と12年、申告せずに運転免許を更新した。一方、社長の容疑は、藤崎容疑者にてんかんの持病があると知りながら仕事で運転を続けさせた、とされる。社長は「てんかんと知っていたら運転させなかった」と容疑を否認しているという。
捜査関係者によると、事故1カ月前の昨年3月、藤崎容疑者は自宅で発作を起こし3日間、欠勤。翌日、藤崎容疑者が業務日誌に社長と話し合いの場を持ったことを書き残していた。また、事故直後、社長が藤崎容疑者の家族に電話で「本人が大丈夫と言うから運転させた」と持病を知っていたかのような発言をしたという。
(3月11日 毎日新聞)
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