うつ兆候問診でチェック、健診で導入へ 2011年度導入目指す!
政府が2011年度からの導入を目指す、企業の健康診断でうつ病などの精神疾患の兆候を調べる制度の概要が明らかになった。
医師の問診に、うつ病などの兆候である不眠や頭痛の有無などを盛り込み、所見があれば専門医が診断する。プライバシーに配慮して企業側には所見の有無だけを伝え、詳細は伝えない方針だ。
企業の健康診断に精神疾患に関する項目を盛り込む方針は、長妻厚労相が4月に表明し、厚生労働省が実施方法を検討してきた。その結果、健診項目に精神疾患の有無を盛り込めば、専門医の判断が不可欠となることから、すべての企業に実施を求めることは困難と判断。うつ病などの兆候として表れる自覚症状のチェックにとどめ、所見があった場合だけ専門医の診断に進むという2段階で実施することとした。
具体的には、健康診断の問診で、うつ病などの兆候が疑われた場合、医師は結果表に「要面接」などと記載し、専門医との面接が必要であることを企業側と本人の双方に通知する。この段階では、うつ病などに対する社会的な理解が進んでいない現状を考慮し、どのような自覚症状があったかなどの詳細は企業側に分からないように配慮する。専門医との面接の結果、精神疾患が疑われる場合は、企業側を交えての話し合いの場を持つ。
厚労省は、自覚症状のチェック項目として「頭痛」や「胃の調子」「睡眠」「食欲」など精神疾患に対応できるものに労働安全衛生規則を改正するか、規則はそのままにして指針を作り、来年度には実施したい考えだ。
(8月17日 読売新聞)
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