厚生年金基金 制度廃止で大筋一致 厚労省専門委員会
以下、引用です。
厚労省は24日、厚生年金基金制度の専門委員会を開き、制度廃止を求めることで大筋で一致した。これまでの関係団体のヒアリングでは財政が健全な基金の存続を求める声が強かったが、制度を存続すれば、国から借りている資産の損失を膨らませる危険が続くと多数の委員が判断した。
厚労省は制度を10年で廃止する案を提示している。厚年基金は国から厚生年金保険料を借りて運用しているが、運用難からこの部分に、約1兆円の損失を抱えている。
厚労省は24日、基金の年金支払い能力の試算を公表した。2011年度末時点の手元資産で、受給者や加入者の加入期間分の年金支給ができる基金は全体の3%の16にとどまったという。
横浜国立大教授の山口修氏は「厚生年金本体への損失リスクをコントロールできない制度の存続は弊害が大きい」と述べた。経団連の年金改革部会長、柿木厚司氏は「公的年金へのツケを認めるようなことはできないのが参加企業の多数意見だ」と話した。
厚労省案は民主党政権下で作られた。企業年金連合会や信託協会などの関係団体のほか、自民党の一部には健全基金の一律廃止に反対の意見がある。今後、厚労省は次期通常国会に向けて制度改革法案作りに着手する。全面廃止の是非を新政権がどう判断するかが焦点。委員会は昨年11月から開かれ、24日にこれまでの議論を整理した。
(1月24日 日本経済新聞)
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