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うつ病発症は「労災」 再審請求し、労基署決定を覆す

投稿日時: 2012-04-27 19:37:13 (2301 ヒット)

以下、引用です。

 磐田信用金庫(磐田市中泉)の子会社に勤務している男性社員(43)が発症したうつ病を巡り、静岡労働者災害補償保険審査官が、労災申請を退けた磐田労働基準監督署の決定を覆し、労災と認定していたことが24日、わかった。社長や上司が繰り返し男性を罵倒するなどしたため、うつ病を発症したと認めた。

 男性の妻や代理人弁護士によると、男性は2005年に同信金から「いわしんビジネスサービス」(同)へ出向。09年10月から、社長と上司の2人から厳しい叱責(しっせき)を受けるなどして、10年4月にうつ病と診断されて休職した。

 男性は同年6月、2人からパワハラを受けたとして、磐田労基署に労災を申請。

・「辞めてしまえ」
・「明日から来るな」などと繰り返し罵倒された
・業務日報の細かい書き直しを指示されて自宅で作業を命じられた
・コピー用紙が入った段ボール40箱を1人で倉庫に運ぶように指示された
などと訴えた。

 労基署は11年5月、「業務要因による心理的負荷は『中』程度で、業務による発症とは認められない」と請求を退けた。男性は再審請求し、労災保険審査官は今年3月、社長らの言動について「業務指導を逸脱して人格や人間性を否定する内容が含まれ、うつ病を発症させて悪化させたと考えられる」などと労基署の決定を取り消した。

 男性の妻は「希望が持てる決定で、同じような被害に遭う人が一人でもなくなってほしい。会社からは何の謝罪もなく、許せない。誠実な対応を求めたい」と話した。

(4月25日 朝日新聞)