遺族年金制度 父子家庭への給付拡充を検討 厚労省
以下、引用です。
厚労省は、公的年金加入者が死亡した際に遺族に支給される遺族年金制度に関し、父子家庭への給付拡充の検討に入った。現在、母子家庭は遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できるが、父子家庭が受給できるのは遺族厚生年金のみ。所得の低い父子家庭も少なくないため、母子家庭に合わせる必要があると判断。早ければ今年の通常国会に法案を提出する。
遺族基礎年金は月額6万5741円(11年度)に子どもの数に応じた加算がある。遺族厚生年金は納めた保険料によって決まるが、若くて納付期間が短ければ25年間納付したと見なす。厚生年金加入者の遺族年金の平均受給額は月額8万8607円(10年度末現在)。
母子家庭が父子家庭より優遇されているのは、男性の所得が女性より高いことを前提としているため。厚労省の調査(06年度)では、父子家庭の就労による平均年収は398万円で、母子家庭(171万円)の倍以上。だが、4割近くの父子家庭は年収300万円未満だったことから、政府は母子家庭を対象としていた児童扶養手当を10年8月から父子家庭にも支給している。
遺族の年収要件を現行の「860万円以下」とすると、新たに税と保険料で数百億円程度の財源が必要になる。同省は、税と社会保障の一体改革の中で給付の効率化を進めており、年収要件の引き下げも検討課題となる。
一方、子どもがいない場合、男女とも受給できるのは遺族厚生年金のみだが、男性は妻死亡時に55歳以上の場合に限られる。また、厚生年金の中高年寡婦加算や国民年金の寡婦年金といった女性だけを対象とした制度もあり、厚労省は制度全体の男女差の見直しも検討する。
(1月5日 ニュース)
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