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石綿(アスベスト)の労災2度却下後、一転し認定 神戸東労基署 遡って支給

投稿日時: 2011-06-20 08:22:38 (1814 ヒット)

 神戸港で20年あまりにわたって石綿(アスベスト)の荷役作業に従事し、平成16年8月に肺がんになった兵庫県内の男性(79)の労災申請について、神戸東労働基準監督署が2度不支給(18年3月に労災申請、同署は「(アスベストを吸った人特有の)石綿小体などが確認できない」として不支給を決定。22年7月にも再び申請したが、同様の理由で不支給になった。)の決定をした後に、一転認定していたことが19日、分かった。

アスベストの詳しい検査を「実施せず」とした医師の意見書を見落としていたためで、同署などは男性に謝罪したという。

  男性はNPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」に相談し、専門医の検査を受けたところ、基準を大幅に超える石綿小体が検出された。この結果をもとに同署は不支給決定を自ら取り消し、今年5月11日に支給が決まった。肺がんが見つかった16年8月にさかのぼって支給されるという。

 男性は16年9月に手術を受けて右肺の一部を切除している。同センターは「労災申請を受けた段階で、男性が手術を受けていたのだから、署の権限で組織検査を依頼するなどすべきだった。アスベストの専門医は少なく、検査を受けていなかったことは想像できるはずだ」と指摘している。

(6月19日 ニュース)