震災の余波・計画停電 派遣等の非正規社員の雇用状況深刻 首都圏労働組合等へ相談
東日本大震災で日本経済全体が打撃を受ける中、派遣をはじめとする非正規労働者の解雇や自宅待機が、被災地以外の地域にも広がっている。首都圏では計画停電による産業活動停滞の影響が大きく、労働組合への相談件数が急増。労組関係者からは「解雇などはリーマン・ショックの時以上の規模になる」との声も上がっている。
● 東京都港区のレストランバー。計画停電への対応で鉄道の本数が減ったことなどもあって、客数が震災前の10分の1に落ち込み、十数人のアルバイト全員を解雇。男性店長(40)は「バイトを雇っていては、店の家賃も払えない」と嘆く。
● 個人加盟の地域労組でつくる全国コミュニティ・ユニオン連合会(全国ユニオン、東京)には、震災に関する労働相談が90件以上寄せられている。
⇒ほとんどが非正規労働者で、半数以上が派遣だった。被災地はまだ混乱しているためか、被災地以外の地域からが多い。計画停電や資材不足が原因で会社が休業し、解雇や契約解除、無給のままでの自宅待機を言い渡されるケースが目立つ。
● 連合非正規労働センター(東京)は、全国から30件以上の相談が寄せられている。
⇒派遣労働者の女性が「計画停電で電車が運休し、出社できなかったら、『交通手段に問題のない人を雇いたい』と契約解除を通告された」と訴えるなど、「震災に便乗した悪質な事例」(同センター)もある。
労働基準法では使用者都合の休業の場合、労働者に賃金の6割以上を補償する決まりだが、厚生労働省は15日、計画停電中の休業では原則的に補償の必要はないとする通達を出した。また、取引先や鉄道、道路の被災による休業も、取引先への依存度、輸送経路の状況などによっては、補償しなくていい場合があるとの見解だ。
時給制で働く非正規労働者は、休業期間は無給。補償がないままの自宅待機は死活問題。
(3月27日 ニュース)
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