遺族補償年金訴訟 男女差は合憲 最高裁初判断
以下、引用です。
遺族補償年金の受給要件に、妻以外の遺族に対して年齢制限を設けた地方公務員災害補償法の規定が、法の下の平等を定めた憲法に違反するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は21日、規定は合憲とする初判断を示した。小法廷は「妻が置かれている社会的状況に鑑み、規定が合理的な理由を欠くとは言えない」と指摘。「性差別に基づく規定で違憲」と主張した原告側の上告を棄却した。
裁判官5人全員一致の意見。同法は年金の受給要件について、夫が死亡した場合は妻に年齢制限を設けていない一方で、妻が死亡した場合は死亡時点で夫が55歳以上と規定している。規定を違憲とした1審・大阪地裁判決を取り消し、合憲とした2審・大阪高裁判決が確定した。
高裁判決は「労働者に占める非正規雇用の割合が女性は男性の3倍近い」「女性の平均賃金は男性の約6割以下」などの状況を示し、「妻を亡くした夫が独力で生計を維持できなくなる可能性は、夫を亡くした妻に比べ著しく低い」との判断を示していた。
小法廷は、男女間の労働力人口の割合や、男性の平均賃金が女性より高いことなどを考慮。「死亡した職員の夫に一定年齢に達していることを受給要件とする部分は憲法に反しない」と結論付けた。
原告の堺市の男性(70)は1998年に中学教諭の妻(当時51歳)を自殺で亡くし、2010年に公務災害と認定された。男性は妻の死亡時に51歳だったため、年金支給は認められなかった。
(3月21日 時事ドットコム)
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