訴状によると、山田さんは06年12月〜07年5月の間、1カ月当たり70時間程度の時間外労働に従事。車内アナウンスの話し方を上司に注意されたり、車内で起きた転倒事故を自分のせいにされたりしたことで、精神疾患を発症し、自殺に追い込まれたとしている。
山田さんの遺族が公務災害認定を求めた訴訟で名古屋高裁は4月、自殺と公務の因果関係を認定。判決を踏まえ、遺族側は今年7月、市交通局に謝罪と再発防止を求めた。市側は「一連の指導は、当時の環境の中では特に問題は無かった」と回答したという。
提訴後、遺族側は名古屋市内で記者会見し、「(市側の対応に)憤慨している。公務災害で亡くなったことに対する謝罪を求めたい」と話した。原告の代理人弁護士は「第2、第3の山田さんが生まれかねない。責任を追及して改善を迫っていきたい」と強調した。
名古屋市交通局は「訴状が届いておらず、現段階ではコメントできない」としている。