厚生・国民年金 3.2兆円赤字 2015年度の運用損影響
以下、引用です。
公的年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」 (GPIF)は、2015年度の運用実績が5兆3098億円の赤字になったと発表しました。世界的な株安が影響したためで、赤字になったのは10年度以 来、5年ぶり。赤字幅は、リーマン・ショックがあった08年度(9兆3481億円)、07年度(5兆5178億円)に次ぐ3番目の大きさでした。
ただ、今回の赤字を含めても、01年度以降の累積収益は計45兆4239億円の黒字を維持しています。運用収益など年金積立金から得られる財源は、全体の年金給付額の1割程度で、今回の含み損が直ちに給付額に影響を与えるものではないということです。
読者センターには、「運用している元本はいくらか」「年金の運用先を明確にすべきだ」「年金運用が市場に与える影響は大きい」などの問い合わせや要望などが寄せられました。
赤字の内訳は、国内株式(3兆4895億円)、外国株式(3兆2451億円)が大きく、比較的安全な資産とされる債券は、国内が2兆94億円の黒字で、国外は円高の影響もあって6600億円の赤字でした。
運用が大幅な赤字となった背景には、中国経済の減速への懸念な どから、国内外の株価が大きく下落したためです。14年10月には、国内外の株式や債券の割合を定めた基本ポートフォリオ(資産構成)を変更し、国内外の 株式割合の目安をそれぞれ12%から25%に引き上げたことで株価の影響を受けやすくなり、赤字幅を拡大させました。
値動きが大きい株式投資にはリスクが伴うため、長期の年金資金の運用には、安全性への配慮が不可欠です。巨額の年金資金を使って株式投資を積極化すれば、市場や株価への影響力は一段と大きくなるとみられます。
(8月11日 YOMIURI ONLINE)
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