労働者派遣法改正案 専門職26業務も「雇い止め」続出
以下、引用です。
今国会に提出されている労働者派遣法改正案の審議が衆議院で大詰めを迎える中、これまで働く期間に制限がなかった通訳など専門26業務の派遣労働者に雇用不安が広がっている。改正案は専門26業務を廃止し、受け入れ期限を一律最長3年にする内容だが、法案成立前の今、3年後の雇い止めを言い渡されたと訴える26業務の派遣労働者が相次いでいる。労働問題に取り組む弁護士らは改正案成立を見越した動きとして重視し、2日に緊急の電話相談を実施する。
専門26業務の派遣労働者は専門性を生かして同じ会社で長期間働いてきた人も多く、厚生労働省の推計ではそうした派遣労働者は約13万人いる。しかし、法改正されれば3年後に同じ職場にはいられなくなる。
貿易関連の会社で事務機器操作の専門業務を15年間続けてきた東京都在住の女性(56)は5月下旬、派遣先の社長に「次はない」と3年後の雇い止めを通告されたという。女性は「15年も働いてきたのに、言われた時は体中の力が抜けた」と話した。年齢的に新たな派遣先の紹介を受けるのは難しいといい、先は全く見通せない。
改正案は、派遣先が正社員雇用するよう派遣会社から申し入れることや、派遣会社が無期雇用として採用するなどの雇用安定措置も義務付けている。
だが17年間、関東の同じ派遣先で設計・開発の専門業務をしてきた50代の男性は派遣先から「正社員にするのは年齢的に難しい」と言われ、派遣会社からは「我が社での無期雇用は無理」と言われたという。男性は「3年後に失職するのは間違いない。50代で新たな雇用を一から探せというのか。法改正を考え直してほしい」と話した。
都内のパソコンインストラクターの40代女性は「26業務で長く働けると思い技術を磨いたのに、これまでの努力が無になる」と不満を漏らした。
派遣法改正を巡っては、与党は6月第1週にも強行採決する構えだ。
(6月2日 毎日新聞)
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