外国人技能実習制度 賃金不払いなど不正が241機関
以下、引用です。
途上国の労働者を実習生として受け入れる「外国人技能実習制度」で、実習生に対して賃金不払いなどの不正を行った受け入れ団体や実習先が昨年1年間で計241機関(前年比11機関増)だったことが、法務省のまとめで分かった。制度が現在の仕組みになった2010年以降4年連続の増加。労働力不足を補う低賃金労働者として受け入れる実習先が、依然として少なくない実態が浮かぶ。
法務省入国管理局によると、不正が確認された機関のうち、受け入れ団体は22事業協同組合と1農協の計23機関。受け入れ団体から実習生を受け入れる実習先が218機関だった。業種別では、農業・漁業(88機関)と繊維・衣服(76機関)が合わせて約75%を占めた。一方、食品製造、建設、機械・金属はいずれも十数機関で、比較的少なかった。
不正行為の総件数は350件(前年比16件減)。最多は賃金不払いで全体の4割にあたる142件。3年間で400万円近い不払いがあったケースもあったという。他は講習期間中の労働74件、技能実習を計画通り行わない32件などと続いた。
また、受け入れ団体の職員が勝手に実習生名義の銀行口座を開設し、通帳や印鑑、キャッシュカードを保管したり、実習先が実習生から預かった貯蓄金をきちんと返還しなかったりした事例もあった。
政府は、受け入れ先を指導する新たな監督機関の設置や、実習生への人権侵害行為に対し罰則を設けることなどを柱とする技能実習制度の適正化法案を今国会に提出している。
一方、実習先から失踪し、行方不明になる実習生の数も増加傾向にある。実習先などからの報告を入国管理局が集計したところ、昨年は4851人で、10年の1282人から3倍以上になった。低賃金など実習先の待遇の悪さから、より好待遇の仕事を求めるケースが多いとみられるが、不法就労や不法滞在の状態になっている可能性が高く、同局が実態調査を進めている。
(5月5日 毎日新聞)
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