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リクルート社員 逆転敗訴 過労死と認められず 東京高裁

投稿日時: 2010-10-15 19:09:53 (2443 ヒット)

 大手リクルートの編集者だった石井偉さん=当時(29)=がくも膜下出血で死亡したのは過重業務が原因だとして、北海道に住む遺族が労災と認めなかった国の処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は13日、請求を認めた一審判決を取り消し、遺族側の逆転敗訴とした。

 井上繁規裁判長は「石井さんは社にいる時間が長く、時間外勤務もあったが、編集業務の特質や実際の勤務状況などを考慮すると特に過重とはいえない」と指摘。「発症は、先天的な脳血管の病変が業務に伴い自然経過を超えて悪化したためとは認められない」と述べた。

 遺族側は上告の意向。

 昨年3月の一審東京地裁判決は、深夜に及ぶ不規則な長時間労働や会社の実績・能力主義下での精神的負荷などを理由に、業務と死亡の因果関係を認めていた。

 判決によると、石井さんは1992年に入社し、就職情報誌や就職情報サイトの編集者として勤務。96年8月に自宅で目まいなどのため自ら救急車を呼び入院した4日後、脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血で死亡した。

(10月13日 共同通信)