金属加工工場勤務の男性労災認定 有機溶剤使用で腸疾患
以下、引用です。
大阪市の印刷会社の従業員らに有機溶剤が原因とされる胆管がんの発症が相次いだが、兵庫県明石市の金属加工工場に勤務していた男性(56)同市が別の有機溶剤で腸疾患を発症し、加古川労働基準監督署から労災認定されていたことが分かった。この溶剤による同疾患の認定は全国2例目。専門家は「労働現場に有機溶剤に対する危機感が薄い」と指摘。
男性は2011年2月〜14年6月、同工場で有機溶剤の一種、トリクロロエチレンの液体や蒸気を使って給湯器部品の銅管の洗浄を担当していた。
トリクロロエチレンは有害物質だが、洗浄機の局所排気装置や発生源を密封する設備はなく、当初の約半年は、防毒マスクすらつけずに洗浄機に頭部を突っ込んで銅管を出し入れしていたという。
腹痛や便秘の症状が現れ、14年5月、腸に気泡状のものが多くできる「腸管嚢腫様気腫症(ちょうかんのうしゅようきしゅしょう)」と診断された。有機溶剤の体への影響を示す男性の尿中クロロ酢酸濃度は、日本産業衛生学会による許容値の1・5〜15倍の高さだったという。
男性は、有機溶剤を使った大阪の印刷会社で胆管がんが多発していることを知り、労働組合「あかし地域ユニオン」(明石市)に相談。加古川労基署に労災申請し、10月に給付が認定された。
男性は6月に退職。快方に向かっているが現在も通院中といい、「仕事で使う溶剤がこれほど危険だとは知らなかった」と話している。
11月20日(神戸新聞)
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